1歳児・2歳児に見られる発達障害の特性(自閉スペクトラム症)

0歳、1歳、2歳くらいまでの年齢は発育の速度に個人差があるため発達障害のチェックが非常に難しいものです。ただ「目がなかなか合わない」「表情が乏しい」「初語が遅い」など特性と思われる点があり気になっている方も少なくないでしょう。そこで今回は赤ちゃん期にみられる発達障害の特性について紹介をしていきます。

赤ちゃん期は自閉スペクトラム症の特性があらわれやすい

発達障害というと「自閉スペクトラム症」「ADHD(注意欠如・多動症)」「学習障害」などがありますが、0歳、1歳、2歳の時期(いわゆる赤ちゃん期)は「自閉スペクトラム症」の特性が表れやすいと言われています。

学習障害の特性は文字の読み書きが出来るようになってからなのでまだ先の話。ADHDに関してもまだこの時期では特性はあまり見えてきません。2歳を過ぎると少し気になる部分も見えてきますが、一般的には3歳~5歳くらいでADHDの傾向が強く見え始めると言われています。

そのため基本的には、0歳、1歳、2歳の時期(いわゆる赤ちゃん期)では「自閉スペクトラム症」を疑うことになるでしょう。

お子様が第一子の場合は、保護者もどのような発育が正常なのか判断がつかないため発覚するのに時間がかかったり、気づかない事も多いものです。そのため乳幼児健診の時に指摘されて気づくというパターンも結構多いようです。2歳児くらいになると、言葉の遅れが気になったりするのでご自身で気づかれる場合も多くなるようです。

赤ちゃん期の自閉スペクトラム症チェックリスト

赤ちゃん期にみられる自閉スペクトラム症の特性としては下記が挙げられます。

  • ほとんど泣かない
  • 些細な事でも激しく泣く
  • 夜中ちょっとした物音ですぐ起きる
  • 独りで寝ていても起床時に泣かない
  • 目が合いにくい
  • 指さしした方向を見ない
  • あやしたりくすぐったりしても笑わない
  • 表情が乏しい
  • 初語がかなり遅い
  • 名前を呼んでも振り返らない
  • 抱っこをするのを嫌がったり、暴れたりする

このような特性に幾つか当てはまる場合は、一度検診を受け相談されると良いかもしれません。そもそも生まれたばかり(0歳)の時は専門医でもその診断は難しいと言われているので、あまり早いタイミングで自閉スペクトラム症を疑うのはやめたほうが良いでしょう。ただし自閉スペクトラム症の特性は1歳~2歳になると明確に表れ始めると言われています。一つの目安にしてください。

感覚過敏によりスキンシップを嫌がることも

自閉スペクトラム症の子には、感覚過敏という特性を持っている子がいます。

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感覚過敏にはいくつか種類がありますが、その一つに触覚過敏・圧覚過敏というものがあります。この特性に当てはまる子供の場合は、抱っこやくすぐりなどが苦痛に感じることがあります。そのため通常であればパパやママが抱っこをするとすぐにおとなしくなることが多い赤ちゃんですが、抱っこによってストレスを感じ泣き止まないという事例もあるのです。

この辺りは日々の観察が非常に重要です。観察をすると言っても発達障害や自閉スペクトラム症について無知の状態で観察するよりは、最低限の知識を持ったうえで観察するべきでしょう。そうすることで観察するべき点が明確になるでしょう。そういった意味で私は保護者が適切な知識を持つことが、我が子への一番の支援だと考えています。

外部リンク
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柔軟剤を変えたら子供が落ち着いた!?

先ほどの感覚過敏の話の続きですが、感覚過敏のひとつに「嗅覚過敏」というものがあります。匂いに敏感に反応してしまうという特性です。

こういった特性を持つ子の多くは、強いにおいが苦手なことが多いのです。それは日用品の中にも溢れています。シャンプーやせっけん、柔軟剤や香水、トイレの消臭剤、肥料やたい肥のにおいなど。私たちはあまり意識していませんが日常生活の中には強いにおいを放つものが案外多いものです。一般的にはいい匂いとされる匂い、例えば焼き立てのパンのにおいなども感覚過敏の特性を持つ子にしてみれば、不快極まりないにおいになる可能性があります。

また自分が慣れ親しんだ匂いが無くなると急に不安になってしまうという特徴もあります。よく言われるのが「ぬいぐるみ」です。お母様が衛生面を考慮しぬいぐるみを洗濯したら、子供は匂いの消えたぬいぐるみに興味を抱かなくなり、癇癪を起してしまう。このような話はよく聞きます。このような特性も自閉スペクトラム症ではないか?と疑う一つの要素になり得るでしょう。

1歳を過ぎたら言葉に要チェック!

言葉(初語)の遅れは自閉スペクトラム症の特徴のひとつでもあるので、1歳ごろになったら我が子の言葉に注意を傾けるようにしましょう。当然個人差がありますから、1歳の段階で何語話せないといけないというものではありません。ただ一般的には1歳6カ月ごろまでに3語程度の言葉を言えるようになると言われています。例えば「パパ」「ママ」「マンマ」などです。似たような言葉でもいいので、意味をある程度理解したうえでこのような言葉をつかえるようになるのが1歳6カ月程度です。

さらに一度は使っていた言葉を2歳くらいになったら全く言えなくなってしまった。というのも自閉スペクトラム症の子供に見受けられる特性のひとつです。

言葉の理解>言葉の発音

一般的に人間は、自分で言葉を発音(発声)するよりも、言葉の理解をする方が早いものです。例えば「トイレ」と発音するのは2歳ころにならないと難しいかもしれません。しかし1歳6カ月頃の時点で「トイレの前におもちゃがあるよ」と言えば、トイレの方に向かって歩いていくことがあります。これは発音よりも理解の方が早いという意味です。

しかし自閉スペクトラム症の特性を持つ子の場合、言葉の理解にも非常に時間がかかることがあります。「これはやったらだめだよ!」と親が強く言えば、1歳6カ月から2歳くらいの子でも通常は手を引いたり、親の顔色を伺ったりするものです。しかし特性を持つこの場合は、「だめ」と言われても特に反応を示さないことがあります。自閉スペクトラム症の特性を持つ子の場合、言葉での理解が難しく混乱してしまうことが多いのです。そのため幼児期になるタイミングで「絵カード」などを使った療育をすることがあります。

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2歳を過ぎると会話する力が発達

2歳になるまでの期間は、発語に関する個人差がかなりあるため、早い子は1歳になった段階で発語が見られますが、遅い子は2歳前くらいまでかかることもあります。そのためあまりデリケートになりすぎず見守る必要もあるのですが2歳を過ぎると、語彙力が爆発的に増えていきます。もし2歳を過ぎても発語が見られなかったり、語彙が全く増えないようであれば、一度小児科や言語聴覚士に相談をしてみると良いかもしれません。

2歳ごろの目安としては、「これ、なあに」と言う形で2つの言葉を繋げて話ができるようになってきます。細かな助詞の使い方などはまだまだ未熟ですが、2つや3つの単語を並べてお話しすることができるようになるころだと言えます。また大きいとかかわいいという形容詞も少しずつ使えるようになってくるので、会話のキャッチボールが少しだけ出来るようになる時期だと言えます。この時期に大切なことは「お話しすることの楽しさ」を感じることと、助詞や接続詞の使い方を適宜修正していくことです。修正すると言っても指導するわけではなく親が正しい言い方に言い直してあげるだけで大丈夫です。「楽しい」と言う気持ちを損なわせないようにさり気なく直していきましょう。

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また吃音が気になり始めるのもこの時期になります。発音がうまく出来ていない音があったり、「お、お、おはよう」のように、吃音の初期症状ともいえる連発症状がみられる場合はコミュニケーション障害の一種である吃音の可能性があります。ただ一般的に発音が難しいと言われる「サ行」「ザ行」「ラ行」の発音をクリアするには5,6歳までかかるともいわれるため、あまり焦ってしまうことはよくありません。

そのため吃音症状かな?と思われる場合でもすぐに病院に行くのではなく、発音矯正をするためのトレーニングをすると良いでしょう。良く行われるトレーニングとしては舌のトレーニングがあります。うがいをしたり、ぺろぺろキャンディをなめたり、シャボン玉を吹いたりという遊びの中でトレーニングをして口周りの筋肉を刺激すると良いでしょう。

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執着や偏食具合もチェックしましょう

自閉スぺクトラム症の特性を持つ子は、特定の物事やルールに強いこだわりを持ったりします。また好き嫌いもとても激しいといった特徴があります。自閉症についてあまり詳しく知らない方からするとどういった特徴があるのかという部分が少し見えにくい部分があるかもしれません。その時には「自閉症」という文字からヒントを得るようにすると簡単かもしれません。自閉ですから、自分の殻に閉じこもるとか、自分の世界以外のことを受け入れにくいとか、硬く縮こまるようなイメージがあるとか、そういった点から特徴を見ていくようにしましょう。

同じもの、同じ場所、同じ順序にこだわる

  • ご飯を食べる食器がいつもと違ったりすると暴れ出す
  • 遊ぶときはいつも同じ場所じゃないと暴れ出す
  • 保護者が勝手におもちゃの並んでいる順序を変えたら暴れ出す

こういった特徴もよく見られます。また同じ動作の繰り返しというものも苦あります。ひたすらネジを回していたり、その場でジャンプし続けていたり。同じ行動を延々と繰り返すこともチェック項目の一つだと言えるでしょう。こういった特徴を気にするのは1歳をすぎたあたりからでしょう。自分の足で自由に動けるようになったタイミングで特性が見え始めることが多いです。

激しい好き嫌い(偏食)

こちらの記事で偏食について非常に分かり易くまとめられているので、是非ご覧ください。

外部リンク
発達障害のある子どもの“偏食” その実態と解消へのヒント

上記の記事を要約すると、偏食も自閉スペクトラム症の特性のひとつである「感覚過敏」が関連していると言う事なのです。例えばイチゴを見た時に私たちはおいしそう!!と思うことが多い。しかし感覚過敏の特性を持つこの場合は、「イチゴの強すぎる赤色が嫌だ」という子もいれば「ぶつぶつが気持ち悪い」という子もいます。またコロッケなどの揚げ物も同様です。私たちは「衣がサクサクして美味しい」と思うところを特性を持つ子の場合は「口の中に針があるみたい」ということで食べられない。

このことを知っていれば次のような発言は無くなるでしょう。

「好き嫌いするんじゃないの!!食べなさい!」

もし自分が感覚過敏で同じように感じていたとしたら、絶対に言えない言葉ですよね。拷問でしかありません。当然好き嫌いをしてもいいよ!なんてメッセージを述べているわけではありません。ただの我がままで言っている部分はピシャリと躾が必要です。が、特性の場合は仕方ありません。根性論でどうにかできるものではないのです。

【まとめ】1歳児・2歳児に見られる発達障害の特性をチェック

いかがでしょうか?以上が1歳児・2歳児に見られる発達障害の特性チェックでした。発達障害の現れ方は年齢によってかなり異なってきます。私の記事でも3歳から5歳についての記事もまとめていく予定なので今しばらくお待ちください。3歳児~5歳児についての記事を作成しました。下記からご確認ください。

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ここまで繰り返し述べてきましたが、非常に重要なことは保護者が正しい知識を得ておくという事です。「子育てもしながら知識も得るなんて大変!」と思われるかもしれません。しかし、何も学ばなければこれから先もっと大変なことが山ほど待ち受けています。子供が幼稚園に入ったら、小学校に入ったらどうでしょう。嫌がらせから始まり、いじめになり、不登校。そして引きこもり生活が続けば、社会復帰が難しくなる。ある統計では日本に80万人ほどいる引きこもりの半数は何かしらの発達障害を抱えていると言われています。子供さんが小さいのであれば、今が一番大事です。親として愛しい子供さんに出来る最大限のことをやってあげましょう!それが結果的に、あなた自身の人生や未来も明るくするものだと私は信じています。

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最後までご覧いただきありがとうございました。