発達障がい児も取得可能?福祉サービスを受けるための受給者証とは

皆さんは「受給者証」についてご存知でしょうか?放課後等デイサービスを利用するために必要なものですが、対象やどこに申請をするのか分からない。また、よく「療育手帳」や「障がい者手帳」とは何が違うの?という声もお聞きします。今回はこの「受給者証」についてご紹介していきます!

受給者証とは?

一般的に受給者証と呼ばれている「障害福祉サービス受給者証」(以下、受給者証)は、障害者総合支援法や児童福祉法に基づき運営している事業所のサービス利用する際に必要な、各市区町村より交付される証明書です。受給者証にはサービスの種類、支給量(利用可能日数)、負担上限月額などが記載されます。

また、受給者証には医療サービスを受けるための受給者証と、放課後等デイサービスの費用を始めとした福祉サービスを受ける際に手当が支給される受給者証の二種類があり、各受給者証には利用するサービスごとに違う名称の受給者証が発行されます。(自立支援医療受給者証や日中一次支援受給者証、障がい児[通所・入所]受給者証など)

障害者総合支援法や児童福祉法に基づき運営している主だったサービスとは、以下のようなものが挙げられます。

  1. 指定障害福祉サービス:居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、療養介護、生活介護、短期入所、重度障害者等包括支援、施設入所支援、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援(A型・B型)、共同生活援助など
  2. 指定通所支援:児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等デイサービス、保育所等訪問支援など
  3. 指定入所支援:福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施設など
  4. 指定相談支援:地域相談支援、計画相談支援、障害児相談支援など

受給者証を取得するまでの流れとは?

今回は放課後等デイサービスを利用するために必要な障がい児[通所・入所]受給者証を取得するまでの流れを見ていきます。

1,医療機関などで必要性を認められる

受給者証の取得には、医師や専門家などから療育の必要性を認められることが必要です。その際に「障がい者手帳」や「療育手帳」の取得は必要とされておらず、医師や専門家の意見書があれば受給者証の申請をすることができます。

2.放課後等デイサービスへ見学(体験)・相談する

受給者証の申請のためには、利用したい事業所を決めておく必要があります。実際に利用したい施設を見学、体験しにいきましょう。サービス内容、雰囲気などは施設によってかなり変わることがあります。複数の施設を見学して、お子さんに合った施設を選ぶようにしましょう。また、施設によっては利用者が多いことで空き枠が無い可能性もあります。希望する日時の利用が可能かどうかの確認も忘れずに行いましょう。

3.住んでいる自治体の福祉窓口へ申請をする

受給者証はお住まいの市区町村の福祉窓口にて申請をすることができます。必要な書類は市区町村によって異なりますので、事前に確認をしておきましょう。

【必要書類の例】
・支給申請書
・障害児支援利用計画案(※)
・発達に支援が必要なことが分かる書類(医師の診断書や意見書など)
・マイナンバーカードなど

※「障害児支援利用計画案」は基本的に相談支援事業所で利用計画案の作成がされます。ですが、相談支援員の予約が多い場合は相談支援事業所から指示を貰いながら、利用者側が通所先の支援者やその他支援員のサポートなどを経て作成することもあります。詳しくはお住まいの窓口にてご相談ください。

4.自治体の調査員によるヒアリング・審査

自治体の調査員によるお子さんの障害の状況や家庭環境などの聞き取り調査が行われ、面接・訪問調査、サービス利用に対する聞き取りなどを行った上でサービスの利用日数や内容について検討がされていきます。

5.受給者証の発行

支給が決定されましたら、各詳細が記載された受給者証が発行されます。この後、利用する放課後等デイサービスと手続きを進めていき、サービスの利用開始となります。

※ここで紹介した流れが基本となりますが、地域や時期により変動がある場合がございます。詳細は各自治体にご確認ください

受給者証と療育手帳や障がい者手帳との違いとは?

  1. 受給者証:障害者総合支援法や児童福祉法に基づき運営している事業所のサービスを利用するために取得します。「市区町村など自治体」が発行しているものです。
  2. 療育手帳(愛の手帳やみどりの手帳など):療育手帳制度に基づき、児童相談所などにおいて知的障害であると判定された、原則18歳未満の方に交付されます。自治体によって名前が異なる場合もあります。「都道府県」(指定都市によっては市の場合も有)が発行しているものです。
  3. 身体障害者手帳:身体障害者福祉法の規定に基づき、一定の期間以上永続する身体上の障害を持った方に交付されます。「都道府県」(指定都市によっては市の場合も有)が発行しているものです。
  4. 精神障害者保健福祉手帳:精神保健福祉法に基づき、一定期間以上精神疾患の状態にあって、日常生活に制限が必要な方に対して交付されます。「都道府県」(指定都市によっては市の場合も有)が発行しているものです。

受給者証を取得することで得られるメリットとは?

1.金銭的な負担が軽減できる

放課後等デイサービスなどの事業所を利用する時に受給者証を取得していることで、利用料の9割を自体帯が負担し、利用者は1割の負担で利用することができます。また、利用料には上限額が設定されており、額は自治体によって変わってきますがその上限額を超える額も自治体が負担して利用することができます。(世帯所得によって上限額の変動有)

また、自治体によっては独自の助成金がある場合もあるようです。

2.発達段階や子どもの特性に合わせた療育を受けることができる

事業所などを利用する時には最初に立てた計画を基に支援が行われていきます。現在の子どもの様子を見た支援や、将来自立していくために必要な療育を受けていくことができます。子どもの状況は日々変化していくものですが、定期的に話し合いが行われているため子どもの変化に合わせた対応が期待できます。

3.同じ悩みを持つ人と繋がりができる

受給者証を取得する時は何らかのサービスを利用することになります。その時に様々な支援員の方や施設などと繋がりができます。子どもだけではなく、同じことで悩んでいる、もしくは悩んでいた親御さんと繋がることができることがあります。そこで相談や話を聞いてもらうことで不安が解消されることもあるでしょう。頼れる場所や人ができると一人で悩まずに済みます。

関連記事
発達障がい児の療育は施設で行うべき?それとも自宅で行うべき?

受給者証を取得することで発生するデメリットとは?

受給者証を取得することで自分の子どもに対して「障害がある」「障がい者というレッテルが貼られてしまうのではないか?」と感じる方も少なからずいます。そのため取得へ抵抗があり動けないという方は、取得はせずとも相談機関の窓口や担当窓口、かかりつけ医などに思っていることを相談してみてはいかがでしょうか?お子さんのことを考えるのも大切ですが、親御さんの気持ちが落ち込んでしまっては適切な支援が行えません。一人で抱え込まずに、気軽にお問合せしてみてください。

【まとめ】発達障がい児も取得可能?福祉サービスを受けるための受給者証とは

ここまで受給者証について受給者証と各種手帳との違いや、取得するまでの流れ、メリットやデメリットなどを紹介してきました。確定診断が無くとも、医師や専門家などの意見書があれば申請はできます。詳細な部分は各市区町村によって変わってきますので、まずは自治体の福祉窓口などへ問合せ下さい。

一人で悩み、抱え込んでいるとどうしても悪い方向へ考えがちになってしまいます。お子さんのためだけではなく、親御さんのためにも相談窓口や支援機関などを頼ってみてくださいね。

児童発達支援士

児童発達支援士のお申込みはこちらから。発達障がい児支援の資格として人気が高く、累計受講者数も圧倒的と話題の児童発達支援士…