【子育て支援】説明上手な子にする大切な習慣

うちの子は何が言いたいのか全く分からない。そんな声をよく耳にします。説明する力というのはきっと時代がどのように変わったとしても求められる非常に重要なスキルと言えるでしょう。しかし具体的に説明力を伸ばすための方法論を知っている人は少ないものです。また学校でもそのようなトレーニングはほとんどなされません。この記事をご覧いただくだけで、きっと説明上手になる道が見えるはずです!

【子育て支援】説明上手な子にする大切な習慣

まず説明力の重要性を改めて確認していきましょう。正直説明するまでもなく重要なことはほとんどの方がご理解されていることでしょう。

皆さんも誰かの話を聴くときに「この人の話、わかりやすい」「この人の話はちょっと何が言いたいのかわからないな」このように感じることがあると思います。

誰でもこのようにして、自然と判断できてしまうものなんです。仕事をしていれば、自社の商品の説明をすると言った際、上手か下手かでその後の成約率は大きく変わるでしょう。学生時代においても、説明が上手であれば、それがそのままリーダーシップに繋がっていき、先頭に立って活躍することができるかもしれません。そこまでいかずとも、交友関係もスムーズなものになるはずです。説明下手、口下手だと、ミスコミュニケーションが発生し、意図しない形で言葉が相手に届いてしまうかもしれない。それがきっかけで、仲間外れに合うということもあるでしょう。

それほどに重要な説明力ですが、日本人の90%は上手ではないといってもいいかもしれません。私は沢山のお客様や子供たちと接してきましたが、「この人は説明が上手だな」と感じたのは、ほんの数名。

「いやいや、私は説明普通にできますよ」

と思われた方もいるかもしれませんね。では皆さんの説明力をチェックするちょっとしたテストをやってみましょう。

あなたの職場に新しい従業員が来ました。

その従業員はフィリピン人です。この子は日本文化や食について全く知りません。

この子に「相撲について」説明をしてみてください。当然言葉だけで。

突然このようにふられて、普通に回答でき第三者がきいても「わかりやすい」となれば、あなたはかなりの説明上手さんです!素晴らしい。

でも9割がたの方は、しどろもどろになったり、うまくまとめられなかったのではないでしょうか?それが普通です。

ここで一つ気づきがありますね。もともと「子供の説明力」について悩んでいたのに、自分自身も出来ていなかったんだー!と。その通りです。そのことを受け入れることも大切です。それほど日本の環境で説明力を伸ばすのは難しいのです。だからお子様のことで悩むことはありません。あなたもそうだし、他の大勢も下手なんですから。

そのうえでどのようにしたら、説明力がつくかお話していきます。

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本読みの後は、必ず「どんなお話だった?」と聴く

幼稚園時には、絵本を読んであげたり、小学生の場合は、国語の教科書の本読みが宿題で出たりと、本に触れる機会というのは小学生まではあるはずです。この時間を最大限に活用しましょう。

本読み自体は、説明力を向上させるものではなく、語彙力を増やすために行うものです。そのためそのまま本読みだけしても説明力向上にはあまり役に立ちません。

しかし、読み終わった後に「どんなお話だった?」と聴くようにしましょう。つまり「要約」させるということです。

要約とは説明上手のこと。最近見た映画について、要約をしてください。と言われたスムーズにできれば素晴らしい。スムーズだけでなく、相手の興味をそそり「私も見たい」と思わせられたら最高ですね。

要約をさせるときに、初めのころを難しいと思いますので、クイズ形式にすると良いでしょう。

  • 「主人公の名前はなんでしたか?」
  • 「主人公は誰を仲間にしましたか?」
  • 「なぜをしに鬼ヶ島に行ったんですか?」

このような形で質問をしていきます。そのうえで最後に「桃太郎という主人公が、猿・雉・鳥を仲間にして、暴れまわっていた鬼を退治したお話だったね」と簡単にまとめてあげるとGoodです。

このことを習慣にしていくと、すこーしずつ「要約ってそうやるのか」とわかってきます。1年もすれば「どんなお話だった?」という質問に切り替えても答えられるようになっていることでしょう。

ちなみに要約が間違っていたり、下手だったとしても、絶対に叱責しないようにしましょう。ここで叱責を加えると、要約時間が苦痛の時間になります。そうなると、意欲が減退しきれいな成長曲線を描くことは難しいでしょう。

あくまで子供さんと楽しく取り組む時間、笑顔の時間をイメージして実践してくださいね。

親が過子供の言葉不足を勝手に補わない。最後まで完結させる

これはやってはいけないこととして、書いておきます。子どもが話しているときに「それって○○ってことだよね、大変だったね」とすぐまとめてしまう光景を目にすることがあります。

これは絶対にやめましょう。

言葉足らず、言葉不足でも通じた。と思うとそれ以上の向上心に繋がりませんから、説明力が上達することはありません。これを繰り返すと子供はどんどん言葉足らずになっていきます。それもそのはず。自分が多くを語らなくても、親が翻訳してくれるのでそれでOKだからです。私の経験上、コミュ力が高い保護者の子供のほうが、コミュ力が低い傾向があると感じます。正確に言えば、低いというよりも、話す気がない。親がコミュ力があるゆえに、「なんでこんな説明下手なの?」と叱責を食らうことも多くなることもあるからでしょうか。これは十分に気を付けなければならない点だと思います。

さらに、解釈は人によって皆変わります。保護者はお子様の性格や特性を十分理解しているので、子供の言わんとしていることに近い解釈ができるでしょう。しかし、お友達や先生、初対面の方はこの解釈ができるわけもありません。間違った解釈をして、勘違いされてしまうこともあります。

日本人は語尾まで完結させないことがよくあります。仕事のケースでも、

  • 「私はそのように考えているのですが、、、、」
  • 「○○がいいと思うんですけど、、、」

このように、最後に間をおいて、相手の言葉を待つことがよくあります。決断を下すという習慣が日本人は特にないようで、つねにぼかします。それは自分が否定されたくない、失敗したくない、バカなことを言いたくないという自然な気持ちからだと思います。しかし、グローバルな社会でそれは通用しません。海外に行ってそんなことをしていると、

「お前はどうしたいんだ!?」

と突っ込まれます。英語の場合「I think」で「私はこう思う」と宣言してから内容に入ります。皆がこういいます。日本人の英語下手は、英語以前の問題で日本語でも自己主張や説明が出来ない点が問題だと考えます。

話しがすこしそれてしまいました。

子供さんの話は最後まで聞くようにしましょう。わけわからなくても、最後まで聞いてあげる。「承認」が絶対的に必要です。そのうえで、「気持ちよかったじゃなくて、うれしかったってことかな」と確認をしながら、言葉を少しだけ修正していきます。

当然おかしなところを全部治すということはしないようにしましょう。1つの会話で1つか2つ程度にしましょう。あまりやると子供も嫌になりますから。さらに指摘っぽくならぬよう、やわらかく指摘してあげてください。

外部リンク
発達障害児支援の人気資格|児童発達支援士公式サイト

習慣として「○○ってどんなもの?」と聴き、説明上手に!

冒頭で、「相撲について説明してみて下さい」といったような質問を日常的に子供に投げかけてみましょう。

最初は子供の得意分野でいいと思いますよ。ポケモンや新幹線、お人形のことでOKです。上手にできなくても、あまり指摘はせず、「そうなんだ、よくわかったよ」というスタンスで行きましょう。これでも難しそうであれば、親御さんがすこーしだけヒントを出しながらすすめていくと良いでしょう。

その後も子供が明確にイメージできることを対象に説明をさせます。

  • 「リフティングって何だっけ?」
  • 「鬼ごっこってどういうルール?」
  • 「先生って何て名前でどういう人だっけ?」

このような形です。この時に、テストや訓練っぽくしないためにも、保護者は「わからないふりをして、その事柄を聞く」と良いです。そして聞いた後に「あーそうだったね!○○の説明のお陰で思い出したよ、ありがとう」このようにまとめると良いでしょう。

子供のアイドルはお母さん。そのお母さんからの自然なありがとうをもらえることほどうれしいことはありません。

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せっかく子供の説明力を伸ばそうと努力しているのに、最後の最後で子供のアイドルお母さんが、鬼のような形相になって怒ってきたら台無しです。それ、本当に最悪な結果になるのでやめましょう。といっても、実際こうなっている家庭がほとんどなので、もしアイドルから鬼に変身しても凹まないでくださいね。それが普通です。少しずつ変わっていきましょう。

【まとめ】説明上手な子にする大切な習慣

以上となります。

説明力は非常に重要なスキルです。対面で話をしている時もそうですが、インターネット上で何かやり取りするときにも説明力がなければ「何が言いたいのかわからない」と思われて終わりです。ネット社会の方がこの傾向は顕著に出るでしょう。説明力を高める工夫は日常の中にたくさんあります!

子供と一緒に説明力トレーニングをしてみましょう!