【子育て支援】主体性・チャレンジ精神を奪う2つの”過●●”!

子育ての悩みや不安というものは、どこまでも付きまとってくるものです。正解がなく、ほおっておけば自分が親から育てられたように育ててしまう。これが人間の性なのかもしれません。

ただ時代は変わっています。皆さんが親から教育を受けたのは30年ほど前。30年前、パソコンやインターネットはない時代でしたね。その時と今と同じ考え方で教育をしてもうまくいかないかもしれません。

今回は、これからを生き抜く力を身に付けた子供を育てるために2つの”過●●”について解説していきます。

【子育て支援】主体性・チャレンジ精神を奪う2つの”過●●”!

今すぐやめるべき”過保護”

ひとつ目の”過○○”は過保護です。

皆さんはどうでしょうか?お子様に対して、過保護ですか?それとも寛容に見守ることができるタイプですか?例えば、次のようなケースでどうでしょう?

  • 食事後のお皿の片づけはさせていますか?
  • 子供が一人で出かけるとき、心配からとやかく言っていませんか?
  • 出かける準備をする際、お手伝いしていませんか?
  • けがをしないよう常に配慮していませんか?

ざっとこのくらいにしておきましょう。これらの行動は当然子供の年齢や特性によってしなければならないこともあるかおもしれませんが、4歳以上の子供に対して、上記のことをやっているようでは過保護と言えるでしょう。

なぜ過保護を辞めるべきなのでしょうか。これにはいくつかの理由がありますが、ひとつは、「子供の自己肯定感が下がる」からです。なぜなら、子供なりにも自分でやろうと思っていても「遅いからいいよ、はい、これきて」とやっていたら、大好きなお母さんからさりげなーく否定されていますよね(笑)

子供の一番のアイドルはお母さんです。そのお母さんからの言葉にはとても敏感ですから、このような言葉でも自信を失います。逆に「いいよ、自分でやってごらん」と常に言えるようになれば、「頑張ってやっていいところをみせよう」と思うこともあるでしょう。当然大半はふざけるかもしれませんが(笑)それでもいいのです。5回に1回真面目にやってくれて「お、できたね!すごいすごい!」と言ってくれたら子供は天にも昇る気持ちになるでしょう。

大げさに聞こえるかもしれませんが、お母さんはそのくらいの力を持っています。教育業に10年以上いる私は数千人の子供を見てきましたが、これは間違いありません。

またもうひとつ過保護が良くない理由をあげておきましょう。それは「チャレンジ精神のない子になるから」です。なぜなら、失敗を回避させる癖がお母さんについてしまっていると、子供もなかなか失敗を経験できません。人は失敗から多くを学びます。そして塩梅を知っていくものです。が、その経験がないと、いつまでたっても塩梅がわからず、極度に怖がったりするものです。お子さんが物凄く怖がり!という方いませんか?その理由の一つに実は、過保護という要素があるかもしれません。

このチャレンジ精神は、企業が求めるスキルとして、常に上位に位置しています。こちらをご覧ください。


2018 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果より引用

これは毎年、日本経団連が発表しているものです。企業に対して「新卒採用時に重視するスキルは何ですか?」という問いに対して、3位にチャレンジ精神が入っています。2位に位置する主体性も似た要素を持っていますので、重要性がうかがえます。

なぜ近年このチャレンジ精神を企業が求めるか。それは、日本が不景気だからです。バブル時代であれば、チャレンジ精神よりもコツコツこなす人間が求められたかもしれません。しかし現代では真逆。不景気のため、新しいことに取り組む勇気が必要なのです。過保護はお子さんの角を折る行為に当たります。今すぐやめたほうが良いでしょう。

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そんなに見ちゃダメ!”過干渉”

ふたつめの”過○○”は過干渉です。

現代では子供が減り一人っ子や二人兄弟という家庭も多くなりました。そして晩婚化もあって、圧倒的に過干渉になっています。

想像してみてください。両親からの4つの目で1人の子供をずっと見ているのです。子どもからしたら結構プレッシャーというか窮屈だと思いませんか?

皆さんに例えるならば、いまだに皆さんのご両親があなたの一挙手一投足を見て、「それはダメ」「そうやったら失敗するよ」「こっちの道に行きなさい」なんて言っているようなもの。辛くないですか?窮屈ではありませんか?

それと全く同じ感覚を子供も抱いているのです。

過干渉をしていると、子供は自主性や主体性を欠いてしまいます。だってそうでしょう。親や先生が見ていないときと、見ている時、どちらの時のほうがバカやったりアホなことをやっていますか?間違いなく後者ですよね。その一見ぶっ飛んだ行動って、大人から見ると、「バカじゃないの?こうなるに決まっているでしょ」となるんですが、子供の中では、自らテーマをもって「きっとこうなっているはずだ!やってみよう!」と物凄くワクワクしているのが想像できるでしょう。

このような気持ちが主体性やチャレンジ精神となっていくのです。

また見てしまったら、いろいろと言いたくなるのが親というものです。いや親だけでなく、上司と部下の関係もまったく一緒ですよね。部下の仕事をずーーーっと隣で見ていたら、たぶんほとんどの上司は頭がおかしくなります。そして口うるさく、「これはこっちのほうが効率が良い」「まだやってるの?早くしろ」などと言ってしまうでしょう。その結果その部下はどうなりますか?恐らく退職するか精神疾患を患うでしょう。

当然接し方で変わる部分もありますが、ずっと見られている=監視されているという側面もあることを理解しましょう。子どもにとって、両親の目は本当にプレッシャーです。委縮させないように”見て見ぬふりをする”距離感がベストです。

外部リンク
発達障害児支援の人気資格|児童発達支援士公式サイト

過保護・過干渉をなくせば、子供は伸びる!

そうなんです。過保護や過干渉をなくすだけで子供は伸びます。本当です。私の勤める会社でも、指導する際に、この過保護と過干渉を絶対に無くすようにといつも社員教育をしています。その結果、子供たちの平均在籍期間は、3年以上。学習塾と比べてもかなり長く、ほぼ同業に浮気されることもありません。それは保護者よりも子供が辞めたくないと言ってくれるからです。

もう少し根拠に基づいて、子供が伸びる理由をのべますと、過保護や過干渉をなくすことで「一人の人間として認められた」と感じることができるからです。子どもを子ども扱いするのは絶対にNGです。この行為をすると子供は子供になり下がります。子ども(4歳)くらいにもなれば、もう大人と変わりません。ただ単に経験が少なく、体が小さいだけ。

だから、大人と接するように接するのです。すると、そっちにつられてドンドン自立した成長をしていきます。

私たちもそういうところがあることは絶対理解しています。例えば、ちょっと体調が悪いときに、周りの人が「え?大丈夫?いいよ、ゆっくり休んで」となると、本当に体調が悪化したように感じます。逆に周りが「大丈夫だって!気にせずちょっと一緒に遊び行こうよ」となり、その場で楽しく遊んでいたらさっきまでの体調不良が消えてなくなる。これに近いことはきっと皆さん経験していると思いますよ。

そのくらい、周りの言葉や接し方に影響を受けるのが私たちなのです。

そうであれば、子供に子ども扱いはNGということがわかるでしょう。大人扱いする必要もないのですが、1人の人間として接しましょう。ただそれだけです。過保護を辞める方法は、簡単。見ないようにすればいいだけです。見ないようにする、すなわち過干渉を辞めるには、違う部屋に移動すればよいだけです。案外簡単ですよ。見るから気になる。そして口を出す。だったら見なきゃいい。もうこれしかありません。

可愛い我が子を守る。それが親の本能です。母親は特にその本能が強い。それは生物学的にみても間違いありません。そこを否定もしません。素晴らしいことです。

ただ行き過ぎると、子供は角を折られた状態になり、いうことは聴くかもしれませんが、その従順さだけでは現代は絶対に活きていけません。バランスは重要ですが、ぜひ過保護過干渉について考えてみてください。

筆者余談:

私は妻子持つの女性と結婚をしました。そのため私は結婚した時に3歳の男の子がいる状態でした。私の妻もやはり過保護過干渉の状態。シンママで子供を守らなければ!と思っていたので、仕方ありませんね。その頃の我が子は、臆病でちっちゃな虫も触れない。汚れるのもいや。雨に打たれるのもいや。という状態で常にママに引っ付いていました。

私から妻に過保護過干渉の話をして、少しずつ接し方を変えてもらいました。すると1年程度で大きな変化が!親も驚くようなことを「やってもいい?」と聴いてくるし、ナメクジやクモも素手で捕まえて、「これペットね!」と言ってくる。

私たちの口癖は「いいんじゃない?やってみな~」です。公序良俗に反していない限り、基本この姿勢です。また「失敗したら喜ぼうね!うまくいかない方法が分かったんだから!」これも口癖です。とにかくチャレンジすることを評価し、何歳児だろうが、個人を承認する姿勢。それが教育の基本だと思います。