Yesを引き出し子供を動かすコミュニケーションテクニック

子供が思うように動いてくれない。こんな事ってありますよね。幼少期のお子様をお持ちの方の多くはこのような悩みを抱えていらっしゃるでしょう。これは発達障害があるかどうかにかかわる事ではありません。そして子供、大人を問うものでもありません。人間の心理をうまく利用して、子供をうまく動かす術を身に付けていきましょう!

イエスセット話法で解決!

では、どうすれば子供が思い通りに動くようになるのか。さっそく結論です!

「イエスセット話法を使うこと!」

これだけです。この話法はとっても簡単なのでこの後、例文も紹介しつつ、子供への対応の仕方を確認していきましょう。

イエスセット話法とは?

イエスセット話法とはどういったものかというと、

小さなイエスを積み重ねることで、本命のイエスを取りやすくなるというテクニック」

たったこれだけです。とてもシンプルなのですが、効果はとても大きく「子育て」「社内教育」「営業」「交友・恋愛」など様々な場面で活用することができます。このイエスセット話法をしっかりと理解しておけば、悪徳商法などに引っかからないように対策することもできると言えます。それほど心理学的に見ても効果が高いため、悪用されることがあるイエスセット話法。この力を子育てにも利用していくことができればこれまで抱えていたストレスが半減するかもしれません!

イエスセットが効く理由

何故このイエスセット話法にそれだけの効果があるのか確認していきます。

これは以下の心理に基づいています。

  • コミットメント一貫性の法則

コミットメントというのは、簡単に言うと「約束」です。つまりある約束をすると、それに矛盾しない思考や行動をする傾向があるという法則なのです。

具体例を見ていきましょう。子育ての場面ではなく、あえて夫婦の日常会話を例にとって紹介します。例えば、あなたは「冬休みには家族でハワイに行きたい」と思っていたとします。ただしパートナー(夫もしくは妻)は「京都に行き、ゆっくりしたい」と思っていたとします。この時に突然「冬休みはハワイに行こう」といっても「嫌だ」と言われ、意見がぶつかり合うだけです。その時に『小さなイエス』から徐々に攻めていくのです。ではどのように話を展開していくのか見てみましょう。

Name
最近は凄く寒いね。もう寒いのにはうんざりだよね?
Name
そうね。うんざりね
Name
こうも寒いと暖かい場所にいきたくなるよな~?
Name
そうね。あったかい場所いいわね~
Name
寒いから風邪とかインフルエンザも流行っているし。もうじき冬休みなのに出かけてうつされるのも嫌だな。

 

Name
そんなの絶対嫌よね!せっかくの休みが台無し!

 

Name
そうだよなー。そうしたら冬休みは暖かい場所でみんな元気に過ごしたいな

 

Name
そうね、賛成よ

 

Name
じゃあ、暖かくて皆が笑顔になれるハワイに行こうか
Name
賛成!子供たちも喜ぶわ!

このような話の流れが『小さいイエスから大きなイエスへ(イエスセット話法)』となります。

この心理テクニックは、相手が否定的な意見を持っているなと思った場合に有効です。このように質問をすると「そうだね」「その通り」「賛成」などの「イエス」が返ってくるはずです。相手が「イエス」と答えざるをえない質問をして最低3つの「イエス」を積み重ねてから本題に入るのです。そうすることで『一貫性の法則』が働き始めます。今回のように暖かい場所に対して、肯定的な答えを重ねていくと、暖かい場所に対して否定的な評価を下せなくなり「嫌だ」といえなくなるのです。これが人間の一貫性です。

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子供を動かす実践練習!

では、イエスセットについてある程度ご理解いただけたと思いますので、ここからは実践練習です。具体的な場面を下記に紹介するので、その場面でどのような質問をして、子供からイエスを引き出すか考えてみましょう。お子様の年齢や性別、趣味嗜好によっても質問する内容は異なると思いますので、その点は自分の子供のことをイメージし練習してみてください。

  • 学校から帰宅したら先に宿題をさせたい時
  • 好き嫌いをせずに食べさせたい時
  • ゲームを中断させて、買い物に付き合ってもらいたい時
  • 寝る前に歯ブラシの習慣を身に付けさせたい時
  • 帰宅したらすぐに手洗いうがいをさせたい時

いかがでしょうか?このような場面で上記のようなことができたらいいなーと思う方は多いでしょう。さぁ、ここからイエスセット話法を使って、どのようにして子供さんを導いていくか腕の見せ所ですよ!真剣にイメージをして言葉がけを考えてみてください。

とはいえ、回答例がないと、少し難しいかもしれません。ざっと例をあげてみます。

  • 今日たくさんゲームしたいよね?
  • 宿題をやらないと先生に怒られて嫌だよね?
  • 病気になったらお友達と遊べなくなるの嫌だよね?
  • 運動会で活躍したいよね?
  • 歯医者さんに毎日行くの嫌だよね?
  • 美味しいお菓子を食べれなくなるの嫌だよね?
  • 友達と遊べなくなるの嫌だよね?

このような質問をしてイエスを引き出していきます。ここでのポイントは「ほぼ100%イエスを言う」ことを選ぶ事です。ここが崩れるとイエスセット話法が崩壊しますし、せっかくうまくやろうと思った皆様の気持ちも崩壊してしまうでしょう(笑)

そのため子供が100%イエスという質問を2,3個するようにしましょう。といっても毎回毎回変える必要もありません。子供の興味は限定的であるため、毎回同じようなことを言ってもOKです。とにかく「そうだね、そうだね、そうだね、わかった」という具合に、テンポよく進めていきましょう。実はイエスセット話法を成立させるためには、テンポも重要です。間延びしないようある程度準備をしておくと良いでしょう。

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(補足)行動を変えると感情も変わる?

これは今回の件とは直接的にかかわりはないのですが、心理学の話をしたおまけとして紹介します。おまけとはいっても物凄く重要な話なので是非ご覧ください。

皆さんは、「気分が良い時に笑いますか?」それとも「気分が悪い時に笑いますか?」

当然「気分が良い時に笑う」でしょう。これは「感情」→「行動」という流れであることがわかります。特定の感情が発生した時に、特定の行動をとるという事です。

  • イライラする→舌打ちをする
  • 悲しい→泣く
  • 嬉しい→万歳をする
  • 辛い→下を向く

今紹介したものはどれも「感情」が生まれ「行動」を起こしているという順番であることがわかります。これは当たり前の話ですよね。しかし、人間はこの逆も「当たり前」に発生する生き物なのです。つまり、「行動」を起こした後に「感情」が付いてくるということです。にわかに信じられないかもしれませんが、この法則を理解することで、日常が180度変わる人もいます。よく「まず言葉を変えよう」とか「プラスの言葉を」といわれますが、その理由のひとつがこのことなのです。

プラスの言葉を無理やりにでも発することで、感情もプラスの方向に向いていきます。これが人間なのです。

感情から行動、行動から感情このどちらも正解なのです。

【まとめ】Yesを引き出し子供を動かすコミュニケーションテクニック

いかがでしょうか。このイエスセット話法は最初は難しく感じるかもしれませんが、人を導きたい時にはこの話法を使うというように、皆様自身の中で習慣になってしまえば強いものです。うまくハマった時の効果はとても高いため、子育てやビジネス、恋愛や交友の場面で自分が望む結果を得られる可能性が非常に高くなります。

コミュニケーションスキルを高めていくことは、人生を明るく楽しいものにするためにもとても重要だと考えます。

是非ここで紹介したテクニックをマスターして、人生を楽しんでいきましょう!子供の能力を引き出す導き手になりましょう!

最後までご覧いただきありがとうございました。

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