2歳・3歳・4歳から見られる吃音の特徴とチェックリスト

吃音はよく「どもり」ともいわれる、コミュニケーション障害のひとつです。吃音で悩む方は案外多いと言われており、一説によると5%程度の人が吃音を経験すると言われています。今回はそんな吃音についての情報をまとめ、簡単なセルフチェックができるようにしていきます。

吃音とは?特徴は?

吃音の基本情報

吃音(きつおん)とは、どういったものなのか明確にしていきましょう。ここで紹介する基準についてはアメリカの精神学会が発表しているDSM-5に基づいた情報になります。

DSM-5では、吃音を「コミュニケーション障害」の一種として扱っています。コミュニケーション障害は5つに分類されています。

  • 言語症/言語障害
  • 語音症/語音障害
  • 小児期発症流暢症/小児期発症流暢障害(吃音)
  • 社会的コミュニケーション症/社会的コミュニケーション障害
  • 特定不能のコミュニケーション症/特定不能のコミュニケーション障害

吃音の概念としては、言葉を流暢に発することに困難を有する障害とされています。同じ音声や音節が繰り返されたり、とぎれとぎれ話すような傾向が見受けられます。このようにスムーズに言葉を発することができない状態を「吃音」と表現します。また「どもり」と表現することもあります。吃音の方は、スムーズに話さなければというプレッシャーを感じてしまう吃音患者もとても多いと言われます。一般的に発症が確認できる年齢は幼少期(2歳~)くらいからと言われています。

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吃音にみられる特徴

吃音は、主に3つの症状があると言われています。

  1. 連発(あ、あ、あ、あ、ありがとう)
  2. 伸発(あーーーーりがとう)
  3. 難発(・・・・ありがとう)

これらの症状を吃音の中核症状と呼びます。これらの症状の出方にはある特徴があります。それはある程度順番があるという事です。吃音が出始めるとき、多くは連発の症状から現れます。連発症状とは、一つの音を繰り返し発する症状のことを言います。一般的にイメージされるのは、最初の音を繰り返すと思われがちですが、最後の音を繰り返すパターンもあります。

連発の次に確認されることが多い症状は、伸発症状です。伸発とは音を引き延ばして言うことです。「ありがとう」という時に「あーーーりがとう」という行為が伸発です。

伸発の次に確認されることが多いのが、難発です。難発とは、最初の音が詰まって出にくい状態のことを指します。こうなるのには、心理面の影響もあるとされており、連発や伸発の話し方にならないように意識をした結果、難発になってしまうのです。吃音は、精神面の影響も受けるため、症状が目立つときとあまり目立たないときがあります。

また難発の状態になると、話すたびに力むことになるため、喉のあたりが締め付けられるように感じたり、息苦しさを感じたりすることになります。するとなんとかこの状態を抜け出そうと、足踏みをしながら話したり、顔をしかめながら話したり、上体をフラフラ動かしながら話したりするなどの随伴症状が見られます。随伴症状がみられるときは、うまく話せているように見える場合もありますが、本人のストレスは変わらず大きいままの場合が多くあります。そのため、この場合も適切な支援を施す必要があると言えます。

吃音の発症に関するデータ

発症率と有症率

吃音は人種や言語を問わず、共通して生じる言葉の症状です。吃音の発症率は5%程度だと言われています。発症率というのは、一生の中で吃音にかかったことのある人のことを指します。それに対してもうひとつ有症率という指標もあります。有症率は今現在吃音にかかっている人の割合を示すものです。吃音の有償率は、1%程度だと言われています。

  • 発症率5%
  • 有症率1%

有症率も1%とあるということは、100人に1人は吃音症状を有していることになりますから、学校で言えば、3クラスに1名ほどは吃音の子供がいることになります。発達障害児の数に比べれば少ないかもしれませんが、吃音に悩む子供も結構多いことがわかるでしょう。

男女の差

研究結果によって多少ばらつきはあるもののよく見られる統計としては、成人男性の場合成人女性の2~3倍程度多くみられるとされています。

しかし、2歳から5歳程度の幼児期の男女比を比べたところ、ほぼ同数か若干男児の方が多いという結果が多く見られます。この統計から考えられることは、女性は成長とともに、吃音の症状が軽くなったり、治癒していくという事です。これはあくまで推測ですので、そういった可能性があるかもしれないという程度の認識に留めましょう。

7割程度は自然治癒する?

これは明確な統計があるわけではありませんが、吃音は成長とともに自然治癒していくケースが多いと言います。何と7割程度もの人が自然治癒していくと言われているため、病院で吃音を診断されても、「様子を見ましょう」と言われることが多々あります。しかし医師であっても、目の前にいる子供が自然治癒するパターンの子供なのかそうでないのかという判断はつかないとされています。自然治癒しやすい傾向としては、女児である、家系に吃音患者がいない、言語能力が高いなどがあるようです。あくまでも傾向であるため絶対ではありません。

また自然治癒しないタイプだった場合は、吃音が年々固定化されていくという事実があります。そのため3割の方に入ってしまい、自然治癒しない場合はより手厚い支援が必要になります。そういったことからも、安易に様子を見ると言って放置してしまうのは良くないと言えます。

始まりは2歳から5歳頃

吃音の症状がみられる年齢は2歳から5歳程度だと言われています。そのため小学校入学前である幼稚園もしくは保育園に通っているタイミングで、他の子供と比較した時に、自分の子供は言葉の発育が遅いのでは?と保護者自身で気づくケースが多くなります。

しかし、保護者がもしかして?と思ってママ友や先生に紹介しても「まだ小さいから気にしないほうがいいよ」「早生まれだしね」「女の子の方が会話が上手になるの早いから」などと言った言葉で何事もなく過ぎ去ってしまうことがよくあります。確かに、心配しすぎることはよくありません。しかし、その逆も良くありません。吃音に関しては適切な知識を有している人が少ないため、周りに相談しても適切な情報やアドバイスを得られるケースは少ないのです。

吃音セルフチェック(自己診断リスト)

こちらのセルフチェックは医師が問診の時に行う質問を集めたものになります。そのため実践的であり、病院に入ったときのも同じような点を確認されると思います。そのため事前チェックという意味でとても役立ちます。もしチェックが5つ以上当てはまった場合は、一度かかりつけの小児科に相談されると良いかもしれません。このチェックリストはあくまでも目安としてご利用ください。

チェック項目

  • 言葉の繰り返しがある
  • 言葉の引き延ばしがある
  • 言葉のつまり(難発)がある
  • 話をしているとき緊張がある
  • 体を動かしながら話す
  • 顔をしかめながら話す
  • 話の場面を避けているように見える
  • うまく話せないことを恥ずかしく思っているように見える
  • 発音が苦手な音がある
  • 相手によって言葉がうまく出ないことがある
  • 1日もしくは1週間の中でうまく話せるときとそうでないときがある
  • 他者から発音や話し方について指摘されたことがある
  • 近親者で吃音経験のある人がいる
  • 吃音症状が出始めたきっかけがある
  • 単語の途中で言葉が止まることがある

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【まとめ】2歳・3歳・4歳から見られる吃音の特徴とチェックリスト

いかがだったでしょうか。

吃音に関する悩みは幼少期に多くなります。その後自然治癒するケースが多いとはいえ、会話に関する悩みやトラブルはその後の人生に大きく影響すると言わざるを得ません。自然治癒すると言っても、それまでの間に、話し方の点で他者に馬鹿にされ続けたとしたらどうでしょう。自己肯定感が低下し、消極的な子供になってしまう可能性が高くなると考えられます。

そのため早期から適切な知識と適切なアプローチ法を習得しておくことをお勧めします。

子どものコミュニティは少ないです。そのため1人1人が与える影響も大きくなります。是非この記事を読んだあなたが、良い影響を与える1人になってくださることを期待しています。

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外部リンク
発達障害コミュニケーションサポーター資格|公式サイト