【夫や子供に疲れた女性必見】カサンドラ症候群とは?チェックリストと対処法を知る

最近よく耳にするようになった「カサンドラ症候群」というものをご存じでしょうか?名前を聴くと何やら難しそうな大変そうな病気のように感じますが、実態は全く異なります。夫や子供と一緒にいることで疲れる・・・と感じているあなたも、もしかしたらカサンドラ症候群かもしれません。一緒にチェックしていきましょう!

カサンドラ症候群とは

カサンドラ症候群とは、パートナー(夫や妻)や家族(子や兄弟)などの身近な人間が自閉スペクトラム症であることが原因で、円滑な人間関係が構築できなかったり、意志疎通がうまくいかない状態が続き、心的なストレスから不安障害や抑うつ状態、PTSD(心的外傷後ストレス障害)などの症状が起きている状態を指します。なぜ自閉スペクトラム症であることが原因となるかというと、自閉スペクトラム症の特性の中に「コミュニケーションが苦手」「関係構築が難しい」というものがあり、その特性が原因で、相互関係を築くことが難しくなるということです。

現代では、自閉スペクトラム症と表現しますが、以前までは自閉症やアスペルガー症候群と表現をしていました。自閉スペクトラム症という表現は自閉症やアスペルガー症候群も含んでいるとご理解ください。

ここでまず抑えておきたいことは、自閉スペクトラム症は世界的な精神疾患の診断基準である「DSM-5」で記載がされていますが、カサンドラ症候群に関しては記載がありません。そのため正式な疾患名ではないということになります。日本でカサンドラ症候群の名前が誕生したのは2003年ころだと言われています。(一説によると1980年代という情報もあります)いずれにせよ、まだまだ歴史が浅く、ぼんやりとしている部分がありますので、現時点でハッキリと見えている部分をこの記事でご紹介していきます。しかし、歴史が浅いという事もあり、カサンドラ症候群の認識の仕方やチェックの仕方、対処法などは随時変わっていくものと思われます。そのことを理解したうえでご覧ください。

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カサンドラ症候群の由来

カサンドラはギリシャ神話に登場する王女の名前です。太陽神アポロンに愛されたカサンドラは、アポロンから予知能力を授かります。しかし、その能力でアポロンに捨てられる未来を予知したカサンドラは、アポロンの告白を拒否しました。それに怒ったアポロンに「カサンドラの予言を誰も信じない」という呪いをかけられてしまいました。そのためカサンドラは真実を伝えても、誰からも決して信じてもらえなかったのです。

これがカサンドラ症候群という名前がついた由来と言われています。これが由来になっているという事は、

「発達障害のパートナーを持つ人の悩みを、周囲が共感しにくい」

という問題を表しているように感じます。確かに発達障害当事者に対する支援は、存在しますし周囲の理解も少しずつ得られるようになってきたと言えるでしょう。しかし、それを支える人間(支援する人)への理解はなされていないと言えそうです。支援する人が弱音を吐けば、

「障害なんだから仕方ないでしょ。あなたがもっとしっかり支えてあげないと」

と言われる光景が容易に想像できます。障害者の大変さは「理解されないこと」にあると思っていますが、カサンドラ症候群に苦しむ人も同じように「理解されないこと」で苦しんでいるのでしょう。ここの部分の理解が進むことを切に願います。

対象は旦那(パートナー)だけじゃない

カサンドラ症候群で苦しんでいる人=ASDを持つ夫を持つ妻という認識が強いようですが、実際にはそれだけではありません。

  • 配偶者(パートナー)
  • 親子
  • 兄弟
  • 職場の仲間(上司と部下)

このような関係性の中にもカサンドラ症候群は発生します。当然ですが、女性だけがなるのではなく、男性がカサンドラ症候群になることもあります。正確なデータではありませんが、自閉スペクトラム症になる人は男性の方が多いと言われます。そのためその男性を支える女性がカサンドラ症候群に苦しむパターンが多いのでしょう。

最近よく耳にするのが上司と部下の関係です。部下に発達障害傾向があっても、上司から「診断してもらえ」とはなかなか言えません。また日本は一度雇用するとそう簡単に首を切ることも出来ません。さらに「部下のひとりも育てられない上司」というレッテルを上層部から貼られる事も。それを恐れて上司側も我慢して部下に接するが、どうしてもうまくいかず思い悩んでしまうという悪循環もあるようです。自閉スペクトラム症は脳機能障害なので、根性論でどうにかなるものではないのです。そういった狭間で苦しんでいる方はかなり多いと思われます。

訪れる結末とは

カサンドラ症候群で苦しんでいる人が迎える結末は次のどちらかになります。

  1. 自身のカサンドラ症候群が解決する
  2. 相手と距離を置く(一時的or離婚)

もちろんカサンドラ症候群の状態を継続することもできるかもしれませんが、永遠にそれが続くことはないでしょうし耐えられないでしょう。そのためここでは2つの道を紹介しました。

この記事ではこの後、カサンドラ症候群のチェックリストをご紹介します。そこでご自身がカサンドラ症候群の状態にあるのかどうなのかセルフ診断をしてみましょう。このチェックリストはあくまでも目安として利用してください。

そしてこの記事の最後の項目として、カサンドラ症候群の解決法についてもご紹介しています。最後までご覧いただくと、今からどういう行動をとるべきかがわかると思います。情報だけ頭に入れてそこでSTOPしてしまうと、不安が大きくなります。そのため、次の行動に移せる情報を得るところまで歩みを進めてくださいね。不安を減らすには行動が大切ですから。

カサンドラ症候群のチェックリスト

以下にカサンドラ症候群のチェックリストを紹介します。ここで紹介するものに5つ以上当てはまった場合は、カサンドラ症候群で苦しまれている可能性が高いと言えます。ひとつの目安としてご利用ください。

  1. 身体的な不調がある(片頭痛・ホルモンの乱れ・不眠・摂食障害など)
  2. 精神的な異常を自覚している(抑うつ 無力感)
  3. 会話がかみ合わず相手の感情がわからないので顔色をうかがう毎日である
  4. 相手に対する違和感があるが、誰にも相談できない又は相談しても理解もえらえず辛い
  5. 相手と共感が出来ない状態がずっと続くことに虚しさや絶望を感じる
  6. 自分の考えや行動がおかしいと責められたり無視されたりして辛い
  7. 相手とどのようにして関係を築けばよいか分からず苦しい
  8. 自分の相談事を聞いてもらえず寂しくなる
  9. 自尊心が低下し、何のために一緒にいるのかわからない
  10. 意志疎通ができないため相手に対して無気力になっている
  11. 相手の一挙手一投足すべてが気に触りイライラする
  12. 自分自身が攻撃的になっていてる自分が嫌でたまらない
  13. ストレスによる体重の増減が激しい

カサンドラ症候群になりやすい人

ここまでのチェックリストを見ると、どういうタイプの人がカサンドラ症候群になりやすいかイメージがつくかもしれませんね。主な特性としては以下が挙げられます。

  • 真面目な人
  • 几帳面な人
  • 完璧主義な人
  • 面倒見が良い人
  • 忍耐強い人
  • 我慢強い人
  • 自分が悪いかもと考え込む人
  • ストレスを発散できない人

これらの性格は素晴らしいものでもあります。そのため、性格や自分を責めることはしないでくださいね。大切なのは自分と相手のタイプや性格をきっちりと把握し理解することです。そこから解決の道が見えてくるのです。

対処法や解決方法は

ここまでがカサンドラ症候群のチェック項目となります。いかがだったでしょうか?ここからは具体的な対処法についてご紹介をしていきます。当然実践できることと、そうじゃないことがあると思いますが、不安を消すには「行動」あるのみです。止まっていると確実に不安は増大します!ある精神科医のお話でこのようなお話があります。

心を患っている女性が私の所に来ました。私はこの女性がなぜ悩んでいるのか、何を不安に思っているのかを聞いた後にこのような処方箋を出しました。

「毎日忙しくすること」

これが彼女にとっては一番の特効薬だったのです。その後彼女は忙しい毎日を送り、私に相談した悩みは消えてしまったようです。

これが不安や悩みに対する基本姿勢だと思います。ただだからと言ってやみくもに行動しても仕方ありませんから、意味のあると思われる行動をとりましょう。その候補をいくつかご紹介いたします。

双方が理解をすることが大切

これまでも何度も相手を理解しようとチャレンジされたことでしょう。そのうえでまたこのことを言われると嫌になるかもしれません。しかし、相手への理解こそが解決への第一歩であることは間違いありません。

しかし今までやられてきた方法で理解を深めようと思ってもまたうまくいかないことでしょう。そのため私がお勧めするのは、あなたとパートナー二人が発達障害についての理解を深めるところからスタートすることです。あなただけではいけません。相手だけでもダメです。お互いに理解を深めることが重要なんです。

何故かというと相手は自分が自閉症だと気づいていないパターンもあり、自分にどういう特性があるのか気づいていない場合が多いからです。最近では大人の発達障害という言葉がメジャーになりつつありますが、それでも診断を受けたことがある人というのはごくごく僅かでしょう。まずは自覚が大切です。自覚をした後に、具体的にどのような特性があるのかを知るステップへ移行します。

そのステップでは、このブログでも再三紹介していますが、児童発達支援士のような発達支援関連の資格学習が一番効率的でしょう。書籍で学んでも良いですが、やはり学びが薄くなる傾向があります。そのため資格として認定されているものを選択すべきだと思います。発達支援関連の資格は沢山ありますが、一番のお勧めは児童発達支援士です。関連記事は下記よりご覧ください。

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自助グループに参加する

次にお勧めなのは、ある程度知識を得たうえで自助グループに参加することです。自助グループというのは、当事者の集まりだとご理解ください。こういったところに参加するには少し勇気がいるかもしれませんね。でも「共感」してくれる仲間を見つけることができたら、あなたの心はきっとふっと軽くなることでしょう。

それでパートナーとの関係を維持することができるのであれば、効果は大きいと言えます。各地で自助グループがあるので、インターネットで調べてみましょう。慣れないうちはオンライン上での参加なんかが出来る団体を選ぶのも良いですね。あまりハードルを高くせず、気軽に参加をしてみてください。

心療内科を受診する

ある程度心身の症状が出ている状態なのであれば、早めに心療内科や精神科に受診されることをお勧めします。症状を放置すると完治までの時間も長くなる傾向にあります。そのため、症状が出ている方の場合は受診が最優先です。逆に「受診するまでではないかな」と思っている方は、先ほど紹介した「理解を深める」ところからスタートすると良いでしょう。

状況によって選択すべき行動は違いますので、ご自身の状態と相談しながら今できる行動をお選びください。

距離を置く

ここまで紹介してきたことをやっても善処しないと感じた場合は、無理をせず一度距離を置くようにしましょう。相手はあなたにとって大切な方でしょう。だからこそそう簡単に距離を置くなんてことは出来ないと思うかもしれません。しかし、精神状態が悪く症状が出ているような状態で一緒に居ても良いことはありません。むしろ双方にとって更に悪い結果を招くことになるかもしれません。

距離を置くことは、逃げているわけでも、責任を放棄しているのでもありません。良い状態に戻すための大切な行動のひとつです。その勇気ある行動によって状況が変わることも十分に考えられますので、距離を置くという選択肢も忘れずに持っておきましょう。「最悪距離を置けばいい」と思えれば、精神的に楽になることもありますから。

【まとめ】カサンドラ症候群とは?チェックリストでセルフ診断!

いかがだったでしょうか?今回はカサンドラ症候群についての解説をさせて頂きました。

支援をするときには、障害者側ばかりが注目されますが、支援をしている人の支援というところに目が向く人はごくごくわずかです。それこそ同じような境遇を体験した人にしかわからないような世界なのかもしれません。人から理解されないことは人間にとってとてもつらいことです。支援をしている人がそんな辛い思いをしているとすれば、適切な支援ができなくなるのは当然です。

適切な支援のためにも、支援者への理解や支援が必要である!私はそう思います。その想いがこのブログを通じて伝われば幸いです。

最後までご覧いただき有難うございます。

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