自閉スペクトラム症の感覚過敏を知り子供のストレスを軽減させる

自閉スペクトラム症の特性を持つ子供の中には、感覚がとても敏感で、他の子がほとんど気に留めないような刺激でも強烈に感じてしまい、それが強いストレスに繋がっている子がいます。

この記事では、自閉スペクトラム症の子供が達がどのようなことに対して、感覚過敏があるかを確認し、適切な対応が取れるようにしていきます。

自閉症?アスペルガー?

もしかしたら「自閉スペクトラム症」という表現ではなく「自閉症」や「アスペルガー症候群」の方が聞きなれているという方や、我が子の診断名は「アスペルガー症候群だった」という方もいらっしゃることでしょう。なぜこのように似た表現があるかというと、認定する機関の違いや診断される年によって異なるのです。まず主な診断基準としては、

  • DSM(精神疾患)
  • ICD(疾患全般)

という2つが主なものとして挙げられます。どちらも世界的な基準であることに間違いはないのですが、作成している機関がことなるため診断基準が少しことなります。またDSMにもICDにも版があります。DSMは現在第5版であり、ICDは現在第10版となっています。日本ではどちらの基準も利用されており、病院や医師によって異なる部分があります。そのため自閉症・高機能自閉症・アスペルガー・自閉スペクトラム症など様々な表現となってしまうのです。DSM-5では自閉症・高機能自閉症・アスペルガーなどをひっくるめて「自閉スペクトラム症」と表現するようになりました。今ではこの使われ方が多くなったので、こちらのサイトでも基本的には自閉スペクトラム症という表現で解説をしています。しかし、その他の名称もそこに内包されるものだとご理解いただき構いません。

自閉スペクトラム症の感覚過敏を知り子供のストレスを軽減させる

私たちは、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚などを通じて、外界を感知したり、さまざまな情報を得たりしています。自閉症スペクトラムの子供の中には、感覚に偏りがあるため、強い刺激を受けそれがストレスに繋がる子がいるのです。

感覚の種類や強度はそれぞれ異なりますし、同じ子どもであっても、時間帯や場所によって異なる場合もあります。また感覚過敏の真逆である、鈍感もありえます。これらの感覚に関しては、努力で変わるものではありませんので、適切な対応方法を理解するようにしましょう。

視覚過敏

 

沢山の物の中から、ひとつのものを見つけだすことが苦手な子供がいます。また蛍光灯のちらつきが気になったり、白い紙に書かれた黒い文字のコントラストをきつく感じたり、人の顔が二次元のモザイクがに見えたりすることがあります。

そうなると目から入る様々な情報に集中力を遮られてしまうことがあり、その影響で文字を読むことが難しくなったり、人と目を合わせることが苦手になったりします。

自閉症の子供はよく「目を合わせられない」と言われていますが、その背景のこのような理由があったのです。当然これだけが理由ではないでしょうが、これもその一つと理解できれば、接し方も変わることでしょう。

これらを考えると自閉症スペクトラムの子供には、あまり色の刺激が強いものや、ごちゃついたデザインの物を避けたほうが無難でしょう。シンプルがベストです。

触覚過敏

 

触覚過敏がある子供の場合、洋服のタグや、靴下や肌着の縫い目、荒い生地に肌がふれるとそれだけでヒリヒリ感じたり、焼けつくような痛みを感じることがあります。そのため着心地の良い服を毎日繰り返し来たり、着心地の悪い服を着ただけで、泣き出したりということがおこります。

また友達から肩を軽くたたかれただけで、ひどく痛がることもあります。友達からしたら「こいつ大袈裟な奴だ!」と思ってしまうことでしょう。しかし触覚過敏の子からしたら、ふざけているわけでもなく本当に痛いのです。このようなことで交友関係が悪化してしまうと、次第に学校嫌いになって、不登校へとつながる可能性があります。これが俗にいう発達障害(自閉症・学習障害等)の二次的障害なのです。

発達障害に向き合うときに、忘れてはならないのは一次的障害を解決しようとするのではなく、二次的障害に繋げないようにすることが大切です。

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圧覚過敏

 

子供を優しく抱きしめても窒息するような強烈な圧迫感を感じたり、手を軽く握られただけでも強い痛みを感じたり、帽子をかぶると、頭が酷く締め付けられるように感じたりすることがあります。

そのためお母さんが愛情から子供を抱きしめても、体をのけぞらせて嫌がることがあります。これは圧覚過敏であるがゆえなので、傷ついたりしないようにしてください。逆に、きつく抱きしめられることで安心感を得る子どももいるため、そのあたりは子供の特性に合わせた対応を取るようにしましょう。

聴覚過敏

 

大きな音を聞くと、まるで虫歯の治療で歯科用ドリルが神経にあたったかのような強烈な痛みを感じたり、轟音が鳴り響いているように感じたりすることがあります。そのため、大勢の人がいるような騒々しい場所では、たまらなくなって耳をふさぎ周りの音をシャットアウトしたり、常道行動によって安心しようとしたりすることがあります。常道行動とは、同じ行動をずっと繰り返し行う行動を言います。

また早口の人の話が聞き取り肉語り、たくさんの音から一つの音を選び聞き取ることが困難だったりします。駅やスーパー、教室ではいろいろな音が同じレベルで耳に入ってきてしまうため、非常に混乱してしまいます。

このような場合には、環境づくりが非常に重要となります。環境が整っていないのに、「集中してやりなさい」と言われたら、子供はつらくなる一方だと言う事が想像できるでしょう。

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嗅覚過敏

 

給食室のにおいや運動道具が保管されている倉庫のにおいなど、強いにおいが苦手で場合によっては吐き気をもよおすことがあります。このような子供にとっては、通常で言えばいい匂いと言われるようなにおいでも、非常につらく感じることがあります。例えば、パンが焼ける匂いは、多くの人にとって「いい匂い」でしょう。しかし、その匂いが原因で吐き気をもよおす子供もいるのです。

いっぽうで、なじみのあるものは安心できるため、食べ物から服まで、何でも匂いを嗅いで周囲の状況を確かめようとすることもあります。

大好きなぬいぐるみを綺麗にするために、洗濯したら、匂いが変わってしまい、子供がパニックに陥ってしまうと言う事もしばしば耳にします。

誰にとっても「綺麗=良いこと」ではないというよいたとえです。

味覚過敏

 

一般的な味付けを濃く感じて薄味の物だけを好んだり、特定の食感や温度、やわらかさや硬さの食べ物だけを食べ続けたりすることがあります。食べ物によっては、砂を噛んでいるように感じたり、強い粘着きを感じたりすることがあります。

また、みためにこだわりを持っている場合もあり、特定の色の食材や同じパッケージの商品だけを食べ続けることもあります。そのため偏食になることが多くあります。

俗にいう「好き嫌いするんじゃないの!」ではどうにもならないことがあるということですね。どうしても自分の感覚で、ご両親も言葉を発してしまいがちだと思いますが、大切なことは「相手の立場に身を置く」ことだと思います。

なかなか理解しにくいことだと思います。そのため子供はストレスを抱え悩んでいくのです。ご両親だけはよき理解者になるためにも、決して根性論に陥らぬように気を付けてください。

【まとめ】自閉症スペクトラムの感覚過敏を知り子供のストレスを軽減させる

以上が自閉症スペクトラムを持つ子の、感覚過敏についての紹介でした。発達障害全般についての記事は下記からご覧ください。

参考記事
小学生の発達障害の種類と特徴について

子供によって特性は違いますので、一概に言えない部分はありますが、一つの指標にはなるんではないかと思います。指標を知ることは、保護者のストレスを軽減することにもつながります。ぜひとも、指標とお子様を照らし合わせながら、子育てをエンジョイしてください。またエンジョイするためには正しい知識が不可欠です。私がお勧めする発達障害児支援の資格「児童発達支援士」は知識と実践のバランスが絶妙なのでお勧めです!

外部リンク
発達障害児支援の人気資格|児童発達支援士公式サイト