発達障害児の自己肯定感を高める3つの掟

発達障害をもつ子供たちに一番大切なことは、有能感や自己肯定感を持たせることだといわれています。それは発達障害は「障害」であるため、基本的には治ることはありません。しかし、改善することは可能です。

改善を成功させるためには、子供にあらゆることに対して前向きになってもらわなければなりません。前向きになれるかどうか、それは自己肯定感の高さに応じて決まります。自己肯定感が低く「どうせ無理」と思っていたら改善は望めません。

そのため今回は発達障害児の自己肯定感を高める3つの掟を紹介します。

発達障害児の自己肯定感を高める3つの掟

言葉と態度で愛を示す

絶対的に必要なことは「親の愛情をたっぷりと注いで上げる」ことです。ここがなければ、何をしても発達障害児の自己肯定感は高まりません。

というのも、子供の自己肯定感に対して一番の影響力を持っているのは、やはり両親です。いや、もっというと母親です。お母さんは子供にとってアイドル。一生アイドルです。その証拠に、お母さんがどれだけ子供に対して怒ったり、軽く手を挙げてしまったりしても、時間がたてば一緒の布団にゴロンとしてきたがるでしょう。これが父親だとまた少し話しは変わって来るのです。

ですから、ご両親特にお母さんからの絶対的な愛情というのが初めの一歩になると考えてください。といっても決して難しいことではありません。私は「甘やかしてOK」と言っているわけではないことに気をつけて下さい。甘やかすというのは、ダメなことでも「いいよいいよ」と言ってしまうことです。それは行動療法上好ましくありませんから、正しい道(行動)に繋がるための促しは必ずしましょう。

ではどうやって両親からの愛情を見せるのか。いたってシンプルです!

  • 生まれてきてくれてありがとう
  • いつも感謝しているよ
  • ○○がいるからお母さん幸せだよ
  • 大好きだよ

このようなわかりやすい言葉です。複雑な言葉にしてしまうと理解に苦しみますから、幼稚園児でも理解できるような平易な言葉で伝えましょう。

さらに発達障害児の自己肯定感を高めるためには、もうひとつだけポイントがあります。それは言葉と連動させて、ハグをしたり頭をなでたり、手を握ったりしてあげましょう。発達障害児の子供は、言葉とイメージが連動しない場合があります。そのため言葉だけではピンとこないこともあると思います。なので「言葉+動作」をしてあげることで、目いっぱい愛情を感じることができるはずです。

まずはこの1つ目の掟が絶対条件となります!

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誉め言葉+拍手

これも上記とイメージ的には一緒です。自己肯定感を高める際、お子さんが何かうまくて来た時には、誉めてあげるというのは皆さんもやられていると思います。しかし前述のとおり、言葉だけではもったいないですね。そこで「○○できたね!凄いね!」と言ったあとすぐに拍手を全力で笑顔でやってあげましょう。「言葉と行為」を合わせることがやはり重要です。

さらに大事なポイントがあるのですが、「誉めるのはその事象が起こってから60秒以内」としてください。これは脳科学に基づいた方法論ですが、人は何かを習慣化させようかな?と考えたときに、その行為をした後すぐに「脳が快」になっているということが重要なんです。習慣化ネットワークというものがあり、ここに組み込めば、ある行動を習慣化できるのです。そのためには、60秒以内に脳を快にしなければいけません。

例えば、勉強が終わったら鉛筆を所定の場所に戻すということを習慣化させたい場面を考えてみましょう。子どもが鉛筆を所定の場所に戻しました。その60秒以内に「誉める(脳を快にする)」。これだけです。これを繰り返していくとその行動が習慣になるということ。

これも原理はシンプルで、脳みそはどういったことを習慣化させると思いますか?答えはシンプルで「気持ちのいいこと(快)」なんです。そりゃそうですよね。わざわざ自分にとってつらいことを習慣化させようと思う脳はないでしょう。

しかし、皆さんの行動を思い返してみてください。習慣化させたいことが出来なかったときに、叱っていませんか?「何度言ったらできるの!」「前も言ったよね!」「いい加減やりなさい」これは脳が不快になることです。つまり習慣化は不可能ということになります。

これは脳科学の話です。根性論ではなく、脳がそのように認識してしまうのです。当然強制的にやらせても習慣化は可能です。ただ、それは習慣化ではなく、「相手が見ている時だけはやる」という行為になります。つまり親が先生が見ているときはやるけど、見ていないのならばやらない。これこそ友達間のトラブルになりそうですね。そのような子になって欲しいと願う親はいないでしょう。ですから、少し大変かもしれませんが、習慣化の60秒ルールを徹底してみましょう!

外部リンク
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有能感をあたえる

さぁ上記2つが基本的には、いつでもできる自己肯定感高める方法になるのですが、この3つ目に関しては、ちょっとだけ技術が必要です。

それは「有能感」を与えるというもの。有能感とは読んで字のごとく「自分には能力があるんだ」と自分自身で感じられる感覚のことです。この感覚が「自己肯定感」になるというわけです。

発達障害児の場合、どうしても「無能感」が先行してしまいがちです。それは友達や知らぬ人から「●歳なのに、まだこれも出来ないの?」「○○も出来ないなんてダサっ」と言われたりしますから仕方ありません。発達障害は見た目にはわかりませんから、他者を責めることもできません。

この無能感が発達障害の二次的障害に繋がっていくのです。いわゆる不安障害や気分障害のことです。

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それでは有能感を与えるためには、どうしたらよいでしょうか。これにはステップがあると考えます。

  1. 子供の特性を知る
  2. 子供の現在の実力(スキル)を理解する
  3. 現在の実力(スキル)でぎりぎりクリアできる課題を出す
  4. クリアした場合、もしくはあきらめないで最後までやったら誉め+拍手

このような形です。まずは①と②が大切で、ここを見誤ってしまうと③がうまくできず、保護者としても「これだけ考えてやっているのに何で!!」とストレスに繋がってしまいます。そのため①②をしっかりとやることが第一です。

そうなれば③は比較的簡単にイメージできるでしょう。「○○を片付けれるようにする」「洗濯物を洗濯機に入れれるようにする」「朝の準備を〇分までにやる」など具体的なことを指示してあげましょう。

そして④になります。ここの詳細は先ほど挙げた通りです。が、ひとつ付け加えるならば「出来なくても、最後まであきらめず頑張ったら誉めましょう」ということです。基本姿勢は「出来たから誉める」ではなく「頑張ったら誉める」でよいのです。できたから誉めるばかりやると、誉めるポイントが減ることになりますし、「出来ることよりも、できるまでの過程が大切」ということを子供に教えることも有能感へとつながります。

冷静に考えたらわかることですが、大人が「1+1=2」と答えたときに誰も誉めませんし何の価値もないですよね。でも難しい数式にチャレンジして1時間頭を使う。結果問題が解けなくても1時間あーだこーだ言いながら取り組む。どちらが誉める価値があるかと言ったら後者ですし、どちらが脳に良い影響があるかと言われても後者です。

ただここではもう少しシンプルに、発達障害児の場合は特に、誉めるポイントを増やすためにも「諦めないで取り組む姿勢」に対しても称賛を与えるようにしましょう。

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【まとめ】発達障害児の自己肯定感を高める3つの掟

以上が発達障害児の自己肯定感を高める3つの掟でした。理解することは簡単だと思いますが、実践が難しいですよね。冷静になろうと思って感情的になることも仕方ありません。ただ一つ大切なのは、どんな時でも最後には愛情を感じられる状態で1日を終えること。それだけ徹底出来ればお子様の自己肯定感は高まっていくでしょう。