急増する子供のコミュニケーション障害 親が理解すること

最近「俺、コミュ障なんだよね」とか「うちの子は、コミュニケーション障害で」という言葉をよく聞くようになりました。

コミュニケーション障害という言葉自体、ここ数年で言われ始めた言葉ではないでしょうか。少なくとも私が小学生時代だった1990年代には聞くことがなかったワードです。このコミュ障にお悩みの方も多くいると思いますが、私はその多くは”誤っている”と思っています。その理由を紐解きます。

急増する子供のコミュニケーション障害、治すために理解すること

1990年代には聞くことがなかったコミュニケーション障害という言葉。発達障害や学習障害、ADHDなんかも同じことが言えそうです。これらの言葉は2010年代に入ってよく耳にするようになりました。まずここに疑問を覚えませんか?なぜ最近になって突如として多くなってきたのか?

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恐らくほとんどの方は、

「それは昔は科学的根拠もなかったから、診断がついていなかっただけ」

このように思われるのではないでしょうか。私もまったく同感です。2010年代に入って人々が急にコミュニケーション力が無くなったり、発達に遅れがみられるようになったとは考えにくいです。食べ物などの影響で多少はあるかもしれませんが、現実にはほぼないと言ってよいでしょう。

だとしたら、コミュニケーション障害や発達障害者というのは今も昔も変わらずいたように思います。しかし、「障害」という診断をすることが出来たため、一気に顕在化してきたのでしょう。

コミュニケーション障害や発達障害はどうやってきまる?

これはあらゆる基準があるため、これだ!という表現は出来ませんが、おおざっぱに診断基準を伝えると、

「診断のためのテストを行い、平均値を下回ったら”障害”認定」

ざっくりいうとこのような仕組みになっています。これで自分の大切な我が子を「障害」と決めつけられるのっていかがですか?私はそんなくだらない基準で我が子を「障害」と決めつけないでほしいと感じることでしょう。

コミュニケーション障害の診断時には、「空気が読めるか」「自己紹介が出来るか」「論理的に話せているか」などの点が診られます。子供が病院でこのテストを受けた時に、うまく出来ると思いますか?病院というだけでも緊張しているのに、白衣を着た先生から質問をされる。そこで上手に答えることが出来るかどうか。これってかなりハードルが高いと言えます。

大人で言えば、目の前に天皇がいて自己紹介や自分の会社のことをうまく説明出来るかテストされるのと同じくらい難しいことでしょう。私はほぼ確実に駄目でしょう。空気はガンガン読むと思いますが、自己紹介はうまく出来なさそうですし、論理的になど話せるわけがない。でも、その瞬間に「はい、コミュニケーション障害!」と言われたらどうでしょう。

少し大げさな例ではありますが、”診断”には、このような一面も持ち合わせていると言う事を理解することが大切です。

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障害というレッテルをはることが一番の害悪

コミュニケーション障害にしろ、発達障害にしろ「障害」というレッテルを貼ることが最もよくない事ですそのため、病院でそのような診断を下されたとしてもお子様には「障害」というレッテルを貼らぬよう気を付けましょう。

先ほども紹介したように、診断の時に平均値に到達しなかっただけです。たったそれだけのことなのに、障害という一生付きまとうレッテルを貼られてしまい、お子様の自己肯定感が下がることは絶対に避けなければなりません!自己肯定感は子育てをする際、とても大切なキーワードです。自己肯定感の高さは「その子の人生を左右する」と言ってよいでしょう。

  • 自己肯定感が高ければ、「私ならできる!」
  • 自己肯定感が低ければ、「どうせ、私なんて・・」

人間は、1日に数万回の決断をしていると言われますが、その決断する際に大きく影響するのがこの自己肯定感。「私ならできる!」と思えば、自発的に挑戦することが出来るでしょう。低ければ、到底難しい話でしょう。

自己重要感の重要度をご理解いただけたかと思います。「障害」と言われたことは大した問題ではありません。そんなことよりも「障害という言葉により、自己肯定感を下げることが一番の問題」このことを忘れぬよう気を付けましょう。

そのためには、親御さんが「障害」と言われたことに対して、へこんだり重たく考えすぎないようにすることです。その理由は何度も申し上げている、診断の仕方が平均値かどうかという点だから。意味がないのです。さらに、子どもの脳の成長速度は千差万別です。診断時は「10歳なら平均だとこれくらいですが、お子様は・・・」となるわけです。でも、自然界を見てください。平均値をとってレッテルを貼り、人生を苦しい方向にもっていく生物などいません。

家庭菜園をしたことがある方ならわかると思いますが、同じ日に植え付けをしたのに片一方はやたらとすぐ大きくなった。もう片方はすごく遅い。でもすごく遅かった苗の方が結果的に収穫量が多くなった。このような事が普通に存在するのです。

何のための年齢別平均値なのでしょう。本当に意味がありません。その理由を紐解けば、日本には飛び級制度がなく、年齢に応じた学制をしいていることが大きいでしょう。年齢によって学年が決まり、そのクラスを円滑に回すためには平均値を出して、それ以下の子は特別学級に通学させるというのが日本の通例です。しかし海外はどうでしょうか?飛び級なんて当たり前ですよね。学年ではなく、その子のその時のレベルによってクラスが決まる。これが人間の個性を理解した上での正しい行動ではないでしょうか。

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コミュニケーション障害は訓練で改善できる

多くの方が勘違いしていることがあります。それは、コミュニケーション力とは先天的なものである。とか、その子の持っている性格のようなもの。という勘違いです。断言します、これは間違いなく勘違いです!

確かに小学校時代を思い返してみると、話すのが上手だった子もいたし、下手な子もいた。それは事実です。しかし、その後同窓会で同級生に合った時、全員が小学校時代と全く同じイメージでしたか?中には「あれ?この人こんな明るい人だったの?」「すごい変わったなー」と思う人っていますよね。そう、コミュニケーション力とは、経験や踏んできた場数によっていかようにも変化するひとつの「スキル」でしかないのです。

もう少し身近な例で言えば、「役職がついてから話が上手になった」「キャプテンになったら声が大きくなり気遣いが出来るようになった」このような事ってあるでしょう。

適切な訓練を重ねることでコミュニケーション力は向上します。結果「コミュニケーション障害」というものも消えてなくなるのです。

ただ適切な訓練を行える場が少ないのが日本の辛いところです。小学校でもう少し「話す」という部分に力を入れてくれれば良いのですが、現状皆無に等しい。「読み」「書き」は嫌というほどやりますが、「話す」は少ない。だからといって大人になっても「話す」を学ぶ機会は非常に少ない。だから大人になって人間関係に苦しむ方が一定数いるのでしょう。

以上が、急増する子供のコミュニケーション障害、治すために理解することでした。お子さんに障害というレッテルを貼らず、適切なコミュニケーション訓練を行い、コミュニケーション障害など忘れ去りましょう!

外部リンク
発達障害児支援の人気資格|児童発達支援士公式サイト