今回は、療育施設として有名はLITALICO(リタリコ)さんがリリースしている絵カードアプリについてのご紹介です。自閉症児の療育のひとつとして絵カードを利用されている方も多いと思いますが、その際に使える便利アプリです!
絵カードとは?
まずは絵カードについて簡単に紹介します。絵カードは自分の気持ちを伝えることが苦手な発達障害児(特に自閉症児)の支援のために利用されている絵が描かれたカードになります。
例えば、「トイレに行きたい」という事を言い出しにくい子のために、「トイレ」と書いた絵と「行きたい」と書いた絵もしくは文字のカードを組み合わせて、「トイレに行きたい」という意思表示をするために利用されるものが絵カードになります。
また発達障害の特性を持つ子の中には、言葉で伝えられるよりも資格を利用して伝えてもらった方が理解しやすい子供もいます。そういった場合には、保護者や支援者が1日の流れを絵カードで見せておきます。そうすることで今日はこういう予定なのか。という事が理解しやすく、パニックを起こしにくくなるというようなメリットが生まれます。
絵カードは実際の紙で作られているものが一般的です。無償でダウンロードして利用できるタイプや有料で購入するタイプなどいろいろなものがあります。また場面ごとに様々な種類があるのも特徴です。学校生活で利用するもの、家庭で利用するもの、歯医者や病院で利用するものなど様々です。
今回ご紹介するLITALICOの絵カードアプリは、その名の通りアプリです。そのためスマホやタブレットを使って活用するものになります。
関連記事
【発達障害児の家庭支援】1日の予定表を作って貼りだそう
絵カードのアプリっていいの?
私が今回ご紹介するのは、絵カードはアプリに限る!!と昔から思っていたためです。絵カードを利用したことがある方ならわかると思いますが、絵カードって準備が面倒くさいんです。最初からすべてセットになっているものであれば良いのですが、実際に活用していくと「うちの場合はこういうカードも欲しい」と思うようになります。するとそれを自作するのですが、その時の手順は以下のお通りです。
- ネット上から良い感じのイラストをダウンロード
- 厚紙を用意して印刷する
- ハサミでちょきちょき
- 汚破損を防ぐためにラミネート加工をする
- マグネットかマジックテープを貼って脱着しやすい形に仕上げる
このような手間があるのです。さらにいくらラミネートをしたからと言って、扱うのは子供です。雑に扱いますからあっという間に破れたりしわくちゃになったりするんです。挙句の果てに冷蔵庫の下やちょっとした隙間にストンと落ちてなくなることも多数。。。。
このようにして絵カード利用がSTOPしてしまうことが往々にしてあるんです。さらに最初からセットになっているものって案外高いので汚れたからといってもう1セット購入するという方は極稀でしょう。結局はある程度自作をしている方がほとんどです。
そこで便利なのがアプリです!デジタル化することで汚れること、壊れること、無くなることがなくなります!当然スマホやタブレットの扱いは気を付けなければいけませんが、保護者が端末を持ってあげて、子供にはタップだけさせるようにすれば問題ないでしょう!あらゆる手間を省いてくれる絵カードアプリはお勧めです!
LITALICOの絵カードアプリ「えこみゅ」
LITALICOの絵カードアプリは「えこみゅ」と言います。このアプリはiOSでもアンドロイドでも利用できるようになっています。しかも無料で利用できるのでとても有難いですね!
ここからは公式サイトに表記されている文面をそのまま転記させていただきます。(えこみゅ公式サイトより引用)
絵カードでコミュニケーション
発語によるコミュニケーションが難しいお子さんのコミュニケーションをサポートするアプリです。 すべての絵カードに音声がついています。好きな写真と録音でオリジナルカードも作れます。 意思表示はもちろん、ことばの学習にもお使いいただけます。
教室のニーズから生まれました
LITALICOの学習教室で実際に使われている絵カードをいつでも、どこでも、どなたでも使えるようにアプリにしました。 教室の意見に基づき、改良を重ねています。
日常に使えるカードが200種類
全カードが複数言語に対応しています。好きな写真と録音でカードを作れます。
えこみゅを使ってみた感想
実際に私もえこみゅを使ってみました。結論としてはとても便利!!!です!
先ほど紹介した絵カードをオリジナルで作成するときの手間が一切ないのが本当に良いですね!200種類最初から用意されていますが、やはり細かな部分は自分で作る必要はあると感じます。えこみゅでオリジナルを作ろうと思った時の手順としては下記の通りです。
- スマホでフリーイラストをダウンロード
- えこみゅにイラストをアップロード
- イラストに付随するタイトルを入力
これで終わりです!当然イラストを探す手間はありますが、印刷やラミネートという作業が無くなるのでかなり楽です。しかも無料ですから。印刷やラミネート、マグネットと揃えていくと案外費用が掛かりますがこちらなら無料です。
音声にも対応!
更に通常の絵カードとは違うポイントが。それは音声にも対応しているという事です。絵カードをタップすることで「といれ」という形で読み上げてくれます。そのため発語が苦手な子や発音矯正を考えている子にも利用することができると思います。アプリ内でオリジナル作成した絵カードにも音声を吹き込むことができるので、そこもいいところですね!
操作感がとってもシンプル!
あとこのアプリの特徴としては物凄くシンプルな設計になっている点です。開いた瞬間から絵カードとして利用できるようになっているので物凄く便利です。デッキ作成も出来るので、よく使うものを効率よく取り出すことができるようになっています。
ちょっと残念な点・・・
えこみゅは全体的にシンプルで柔軟さもあるためお勧めできるのですが、ちょっと残念な点があります。それは絵カードを並べる時になぜか3枚のカード迄しか並べることができないのです。そのため利用方法としては、スケジュールを見える化するというよりは、あくまでも自分の気持ちを子供が発信したい時のアプリというイメージだと思います。
絵カードといってもいろいろな活用法があります。えこみゅではPECSといわれる、自分の意志をカードを利用して表現するトレーニングに近い活用法です。TEACCHで利用されるようなスケジュールの見える化にはあまり向いていないかな。。。という印象でした。ただ工夫次第では利用できるかもしれませんので、一度ダウンロードしてみると良いと思います。
【まとめ】療育施設で有名なLITALICO(リタリコ)がリリースしている絵カードアプリ
いかがだったでしょうか。今回はLITALICOがリリースしている絵カードアプリ「えこみゅ」についてご紹介しました。
私のお勧め度は5段階中「4点」!!
1点マイナスしたのは、3枚のカード迄しか並べることができない点です。恐らく目的がPECSに近いので、3枚でも十分なのでしょうが、スケジュールの見える化を目的として絵カードを利用されている方も多いため、スケジュールモードなどが追加されたら最高だなーと感じました。
と言ってもアプリ開発は相当な費用が掛かるので、これほどのアプリを無料利用できるのはとても嬉しいことです。LITALICOさんありがとうございます。