皆さんこんにちは!今回は発達障害支援に関する資格の紹介をしたいと思います。年々発達障害を持つ子どもたちへの支援に関心が高まる中、2024年12月末に「子ども発達障害対応スペシャリスト」という資格が新しく登場しました。今回はこの新しい資格について、取得方法から活用法まで詳しく解説していきたいと思います。
子ども発達障害対応スペシャリスト資格の概要
子ども発達障害対応スペシャリスト資格は、発達障害を持つ子どもたちへの専門的な支援スキルを証明する民間資格になります。発達障害の特性を理解し、ソーシャルスキルトレーニング(SST)を中心とした個別支援を提供できる専門家の育成を目的としています。
資格の基本情報
資格名称 | 子ども発達障害対応スペシャリスト |
資格種別 | 民間資格 |
認定団体 | 一般財団法人 日本能力開発推進協会(JADP) |
講座提供 | キャリカレ(キャリアカレッジジャパン) |
受験資格 | 認定講座(キャリカレ)を受講した人 |
受験方式 | 在宅受験 |
受験料 | 税込5,600円 |
合格基準 | 得点率70%以上(合否判定まで約1ヶ月) |
学習期間 | 1〜4ヶ月(平均3ヶ月) |
また、この資格は「民間資格」となりますが、現在発達障害支援の分野では、発達障害関連の国家資格はまだ存在しません。そのため、この分野で専門性を証明したい場合は、現在のところ民間資格を選択することになります。
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他の発達障害支援資格との具体的な比較
発達障害支援の分野には、いくつかの人気資格があります。ここでは、子ども発達障害対応スペシャリストと他の主要資格との違いを簡単にではありますが比較してみたいと思います。
児童発達支援士(一般社団法人 人間力認定協会認定)との比較
子ども発達障害対応スペシャリスト | 児童発達支援士 | |
難易度 | ★★☆☆☆ 初心者~中級者向け | ★★★☆☆ 初心者~中級者向け |
学習内容の焦点 | 発達障害と関連するSSTの基礎知識 | 発達障害全般の基礎知識 |
実践スキル | 個別支援計画作成、具体的なSST実施技術 | 基本的な対応方法、コミュニケーション技術 |
受講者数 | 新資格のため実績は少ない | 累計30,000人以上の実績 |
サポート | 700日間の学習サポート | 受講者専LINE、意見交換会に参加可能 |
子ども発達障害対応スペシャリストが優れている点
- 発達障害についての専門的で実践的な内容
- SSTに特化した具体的な技術習得
児童発達支援士が優れている点
- 発達障害の基礎知識や療育方法を学べる
- 豊富な受講者実績と口コミ
- 継続的なコミュニティサポート
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発達障害・ADHDでお悩みの方にお勧めの児童発達支援士資格とは
発達障害児支援士(四谷学院認定)との比較
子ども発達障害対応スペシャリスト | 発達障害児支援士 | |
難易度 | 初級者~中級者向け | 中級者~上級者向け |
学習期間 | 3ヶ月標準 | 6ヶ月標準 |
受講料 | 比較的リーズナブル | 高額(10万円以上) |
試験形式 | 在宅受験 | 在宅受験 |
運営母体 | キャリカレ(専門通信教育会社) | 四谷学院(大手予備校) |
子ども発達障害対応スペシャリストが優れている点
- 受講料が比較的リーズナブル
- 短期間での資格取得が可能
- SSTに特化した実践的なスキル
発達障害児支援士が優れている点
- より包括的で深い内容
- 四谷学院の高い知名度と信頼性
- 難易度の高い本格的な学習
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子ども発達障がい支援アドバイザー(ユーキャン)との比較
子ども発達障害対応スペシャリスト | 子ども発達障がい支援アドバイザー | |
難易度 | 初心者~中級者向け | 初心者~中級者向け |
学習の専門性 | SST特化の実践的内容 | 発達障害全般の基礎知識 |
サポート期間 | 700日間の長期サポート | 12ヶ月間のサポート |
知名度 | 新資格のため低い | ユーキャンブランドの高い知名度 |
コミュニティ | 今後の発展に期待 | SNSでの発信はまだ少ない |
子ども発達障害対応スペシャリストが優れている点
- 実践的なSSTスキルの習得
- 長期間のサポート体制
子ども発達障がい支援アドバイザーが優れている点
- 初心者向けの分かりやすい内容
- 大手通信教育の安定したサービス
児童発達支援士とユーキャンの子ども発達障がい支援アドバイザー資格を比較
どの資格を選ぶべきか?
子ども発達障害対応スペシャリストがお勧めの方
- SSTを重点的に学びたい方
- 実践的なスキルを短期間で身につけたい方
- キャリカレの長期サポートを活用したい方
児童発達支援士がお勧めの方
- 発達障害支援の基礎を幅広く学びたい初心者の方
- 受講者コミュニティでの情報交換を重視する方
- 豊富な受講実績のある資格を選びたい方
発達障害児支援士がお勧めの方
- 他の資格を学び基礎知識がある方(中級者~上級者の方)
- 専門的で内容の充実を重視する方
各資格の比較をしながら発達支援に関連する資格を紹介させて頂きました。どの資格が良いかは、人によって異なるのでここではどれが一番オススメできるということは言えませんので参考の1つとなれば幸いです。資料請求なども可能となっているので問い合わせをしてみるのも良いかと思います。
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講座提供をしているキャリカレってどんなところ?
キャリカレは2008年の設立以来、150以上の資格・スキル講座を提供している通信教育の大手企業です。長期間のサポート体制があり、学習サポート期間は700日程度に設定されているため、忙しい方でも安心してゆっくりと学習することができます。
また、充実した学習システム(紙テキストとWEBテキストの両方に対応)があり、テキストの音声読み上げ機能や映像講義が「便利」「わかりやすい」と好評です。資格取得後の就職・転職サポートや、独立開業時のホームページ作成支援なども提供しています。
外部リンク
一般財団法人 日本能力開発推進協会(JADP)について
日本能力開発推進協会は医療、福祉、介護、社会教育、文化、芸術などの分野における実務能力の向上を目的とし、各種資格検定試験の実施や講座開発支援を行っています。今回紹介した子ども発達障害対応スペシャリスト以外にも以下のような資格を認定しています。
- メンタル心理カウンセラー
- 上級心理カウンセラー
- 大人発達障害対応スペシャリストなど
外部リンク
学習内容と身につくスキル
主要な学習カリキュラム
子ども発達障害対応スペシャリスト講座では、以下の4つの主要分野を学習していきます。
その1:発達障害の基礎知識
- 発達障害の種類と症状
- 診断方法と評価
- 応用行動分析(ABA)の基本理論
その2:SSTのケーススタディ
- 様々なSSTの訓練法
- 環境の整え方
- 家庭や園・学校での実践方法
その3:個別支援計画の作成
- 課題を見つけるアセスメントの実施方法
- アセスメント結果に基づく指導計画の作成技術
- PDCAサイクルによる支援の評価と改善
その4:親御さんへの対応・指導
- 親の疑問や不安への対応方法
- 効果的な叱り方・褒め方の指導
- 家庭でのSSTの実践指導
実践的なスキルの習得
単なる知識の習得にとどまらず、実際の支援現場で活用できる実践的なスキルを身につけられることが特徴です。
- 個々の子どもの特性に応じた支援計画の立案
- 具体的なSSTプログラムの実施
- 保護者や他の専門職との連携方法
特に上記で挙げたこの3点がこの資格を学ぶポイントなのではないかと思います。
発達障害への理解を深める
子ども発達障害対応スペシャリストが対象とする発達障害は主に次の3つになります。
- 自閉スペクトラム症(ASD)
- 注意欠如・多動症(ADHD)
- 学習障害(LD)
資格取得までの流れ
①講座申込み・教材到着
メインテキスト(4冊)を使い学習を進めます。初めての方でも学習が進め易いようにイラストも多く、1冊あたりのページ数も辞書のように多くありません。また、理解度を深めるための映像講義やキャリカレノート&確認問題があります。
②学習期間(4ヶ月)
学習期間は4ヶ月ですが、1日30分で学習した場合を想定した期間となっています。そのため、事前知識や30分以上学習できる方は上記より早く習得することができます。また、サポート期間が長いので自分のペースで無理なく学習を進めることができます。
③添削指導
学習過程で添削問題が1冊あります。複数回の添削指導が行われ、専門の講師から個別フィードバックを受けることができます。
④資格試験受験
資格試験は在宅受験方式を採用しており、カリキュラム修了後に随時受験することができます。試験は70点以上で合格となり、不合格の場合も再受験が可能となります。
履歴書への記載と就職活用
履歴書記載方法
子ども発達障害対応スペシャリスト資格は正式な認定資格として履歴書に記載することができます。履歴書によってフォーマットは異なりますが、一般的には下記のように記載できます。
◯年◯月 一般財団法人 日本能力開発推進協会認定 子ども発達障害対応スペシャリスト 取得
就職・転職での活用
民間資格ではあり、就職をするための必須資格であるという事もありません。
しかし、専門的な知識を身につけることができるので就職に有利に可能性は十分にありますし、就職した後の実践でも役立つ内容を学ぶことができます。
- 療育関連施設
- 保育士や教員の方のスキルアップ証明
- 子育て支援関連の仕事への転職
などの時に活用できるかと思います。
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[疑問]児童発達支援士は履歴書にかける資格なの?就職に有利?
まとめ「子ども発達障害対応スペシャリスト資格」とは?
子ども発達障害対応スペシャリスト資格は、2024年12月末にリリースされたばかりの新しい資格になります。まだ、認定がスタートしたばかりで情報が少ない資格ですが
- 大学教授監修の本格的なカリキュラム
- SSTに特化した実践的スキルが学べる
- 長期サポート体制(自分のペースでゆっくり学習できる)
- 在宅受験でいつでも受験ができる
という点から受講する方も増えてくるのではないかと思います。
また、発達障害支援の分野は今後もますます重要性が高まることが予想されます。この資格に限らず関連する資格を取得(学習)することで、全国にいる発達障がい児およびこれから生まれる子供たちのためになると思っています。社会全体が発達障害に対して適切な理解が出来るようになれば「支援」すらいらなくなるかもしれません。
このサイトでは、発達障がい児の支援方法や保護者の皆様の心を軽くすることを目的に様々な記事をかいておりますので、ぜひ他の記事もご覧ください。最後まで読んでいただきありがとうございます!
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