皆さんは原因が分からないけどなぜか疲労感が抜けない、漠然とした不安感がずっとある、気分がやたら落ち込む、イライラする、怒りやすくなるといったことはありませんか?
その原因は「ストレス」かもしれません。この状態が長期間続くことで、メンタルヘルスに大きな影響が出て精神疾患などにつながる可能性があります。そうならないためにも、今回はメンタルケアについて、そしてメンタルケアを学ぶためにおすすめの資格について紹介していきます。
メンタルケアの重要性とは
「メンタルケア」と漠然と言われても、何が重要なの?と疑問に思う方もいらっしゃるかと思います。現代社会を過ごす上で、私たちは様々な場面でストレスを感じています。それは、仕事で感じるプレッシャー、家族関係の不和、将来のことを考えた時の不安、友人や同僚・上司などの人とのコミュニケーションを行う中でのすれ違いなど、挙げ出すとキリがありません。
ストレスとしてはごく小さいものから、とても大きなものまでありますが、どのストレスも抱え込んで発散することなく溜め込んでしまうと、最初に挙げたような疲労感が抜けない、イライラする、気分の落ち込み、寝れない、集中力が続かないといった不調が現れ始めます。そしてメンタルヘルスへ悪影響が出始め、うつ病や不安症といった精神疾患へつながることも珍しくありません。
メンタルケアでは、こういった問題を未然に防ぎ、メンタルヘルスを整えることを目的としています。自身で行うセルフケアについて学ぶことで、自分のメンタルヘルスを安定させたり、ストレスを溜め込んでしまっている時に気付きやすくなるなど、様々なメリットがあります。
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メンタルケアの資格を学ぶ意味やメリットはあるの?
なんでわざわざ資格で学ぶの?インターネットで探せば様々な知識があるし、それで良いのでは?という声があります。それは正しくもあり、少し間違っているかもしれません。
インターネットで調べると、確かに論文やメンタルケアに関する知識や情報、その具体的な方法などが出てきます。ですが、それだけを学んでも、偏った知識を身に付けたり、正しくない理解の仕方をしてしまい、誤解などにつながる危険性があります。また、他者にアドバイスする時に、自分なりのアドバイスではなく、根拠などに基づいたアドバイスや対応をすることもできます。
資格講座では他者のサポートや支援の前に、まずは自分の心の状態を知るものが多くあります。これは、セルフケアや現在の自分の心は、ストレスが蓄積していないかの確認などができたり、感情の整理などに役立ちます。
意外と自分のストレスには気付きにくいもので、気付いた時にはかなり悪い状態なんてこともあります。そのため、早期に自分のストレスに気付く方法を学べたり、落ち込んだ時にはどのようなケアをすればいいのかを学べる資格講座はとても役立つものでしょう。
メンタルケアとは別に、他のスキルも身につくこともあります。それは傾聴や他者の気持ちに共感する、自分や他者を受容する(受け入れる)スキルです。メンタルケアやメンタルヘルス、精神疾患などについて学ぶ際には、カウンセリングの基本スキルも一緒に学ぶことになります。
その基本スキルの中には「傾聴」「共感」「受容」といったスキルがあります。これはカウンセリングだけではなく、他者とコミュニケーションを行う際には非常に役に立つスキルで、プライベートや職場などに関わらず、どこでも活かすことができます。
傾聴スキルを身に付けることで、前よりも人の話を聴くのが上手になる。共感スキルを身に付けることで、他者の気持ちに寄り添うことができるようになる。受容スキルを身に付けることで、自分自身のことを否定せずに受け入れることができる、他者の立場や価値観を尊重して言葉を伝えることができるようになる。このようなメリットがあります。
メンタルケアの資格を学ぶデメリットはあるの?
もちろんデメリットもあります。まずは学んだからといって実践ですぐには通用しないことがあります。ですが、これは経験を積むことで活かせるようになります。焦らずに、少しずつ経験を積んでいきましょう。
また、様々な資格があるため、どれを選べばよいのか分からないといった悩みも出てきてしまいます。値段も学ぶためにかかる時間も違うので悩んでしまい、結局諦めてしまった。そんな声を聞くことも少なくありません。今回の記事ではおすすめの資格を紹介していますので、皆さんの目的にあった資格を探していきましょう!
そして、これはよくある話ですが、学んでいるうちに「資格を取得すること」がゴールになってしまうことがあります。資格を学び始めた当初は、きっと違う目的があったのではないでしょうか。資格を取得して終わってしまっては勿体ないでしょう。学んだ知識をどのようの使いたい、活用したいのかを明確にし、忘れないようにしましょう。
メンタルケアについて学ぶ時におすすめの資格とは
公認心理士(国家資格)
公認心理士は日本唯一の心理職の国家資格です。心理職として公的な信頼性が高く、医療・福祉・教育・産業など就職先の幅が広い活躍できる資格と言えます。
国家資格のため、取得までのハードルも高く、大学で「指定科目」を履修し、大学院での修了(一部条件付きで実務経験でも可)の上で受験することが可能となります。そのため大学で4年、大学院で2年、学費が400万~700万と非常に時間も金額もかかるものとなっています。
合格率は50%~70%あたりで推移しており、2025年3月2日に行われた第8回公認心理師国家試験の結果では、受験者数が2,174人、内合格者数が1,454人(66.9%)といった結果でした。
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参考:厚生労働省 第8回公認心理師国家試験(令和7年3月2日実施)合格発表について
本格的に心理職として働きたい方、医療や福祉・教育現場などで支援をしたい方などにおすすめの資格と言えるでしょう。
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臨床心理士(民間資格)
臨床心理士は、公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会が認定する民間資格です。民間資格といっても心理職の中で専門性が高く、1988年に資格の認定が始まり歴史もあり、現場からの評価も高い資格となっています。
2025年4月1日時点で、43,083名の臨床心理士が認定されており、心理支援・カウンセリング・医療、教育などの支援や協力などが行われています。
大学で心理学系(心理学・教育学・福祉学など)の学士を取得し、指定大学院を修了した後、実習経験を積み、認定試験に合格することで認定されます。公認心理士と同じく、大学で4年、大学院で2年、学費が400万~700万と非常に時間も金額もかかるものとなっています。
心理カウンセラーとして働きたい方、医療や福祉・教育現場などで支援をしたい方などにおすすめの資格と言えます。ですが、一部求人において「公認心理士」が必須となる場合がありますので注意しましょう。
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メンタルヘルス・マネジメント検定(民間資格)
メンタルヘルス・マネジメント検定は、大阪商工会議所 施行商工会議所が主催し、認定している民間資格になります。
働く人のメンタルヘルス問題はとても注目されています。この資格講座では、働く人のメンタルヘルスの問題に対する対策や、知識などを学ぶことができます。働く人の心の不調を事前に見抜き、防止し、活力ある職場づくりを目指すことができます。
そのため、3つのコースに別れており、Ⅰ種(マスターコース)では人事労務担当者、幹部陣などに向けて、自社の方針に合わせたメンタルヘルスケアの計画、従業員への教育などを目標としたコースになっています。Ⅱ種(ラインケアコース)では、管理職の方向けで、自分のみならず、部下が心の不調にならないように配慮する方法や、もしも不調に陥った際の対応などを行うことを目標としています。Ⅲ種(セルフケアコース)では、自分自身のストレスの状況をしっかりと把握し、早期に気付けるようになることを目標としています。
もちろん、自由にコースを選ぶことができます。
受講費用は税込34,000円~39,000円(試験料別)となっており、受講する講座や時期によってキャンペーンなどで割引されていることもあります。
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メンタルヘルス支援士(民間資格)
メンタルヘルス支援士は、一般社団法人 人間力認定協会より2025年に認定が開始された新しい民間資格となります。
精神疾患や発達障害を持つ方、メンタルヘルスに不調がある方などに対して、どのような働きかけをすると、メンタルヘルスを良い状態へと促すことができるのか、悪化を防ぐための方法などを学ぶことができます。精神疾患だけではなく、近年増加傾向にある発達障害について同時に学ぶことができる資格となっています。
また、新しい資格ということで、精神疾患や発達障害について最新の統計データや情報などを学ぶこともできます。この分野はまだまだ研究が行われており、日々様々な情報が更新されていきます。そのため、最新の情報を学べるというのは非常に大きいメリットと言えるでしょう。
ただし、新しいものはレビューや評価などを探すのに苦労する一面もあります。そこは、認定団体である人間力認定協会の理事長ブログより詳しく紹介されていますので、こちらをご参考ください。
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参考:【徹底解説】メンタルヘルス支援士資格の内容や試験概要をご紹介
かかる費用は、税込35,200円(試験料別)となっており、受講するための前提条件などは一切ないため、学歴や経歴、年齢などを気にせずに受講することができます。
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メンタルケアの資格の選び方とは
ここまで国家資格・民間資格どちらも紹介してきました。民間資格では意味がない、無駄という声も多くあります。ですが、そうとは限りません。
まず、国家資格として認められているのは公認心理士のみとなります。ですが、公認心理士になるためには大学や大学院に通ったり実務経験が必要とされますし、膨大な費用もかかります。信頼性の高い臨床心理士も同じくらいかかります。もちろん取得できれば、幅広い分野で専門家として活動できます。
ですが、そこまで求めておらず、自身の会社で活かしたい、周囲の精神疾患や発達障害などで悩んでいる人に支援の手をのばしたいと考えている方などは、先程紹介したメンタルヘルス・マネジメント検定や、メンタルヘルス支援士などで学べる内容が十分活かせるものとなっています。
目的や自身が活動したい場所などによって、おすすめできる資格は変わってきますので、改めて、自分の目標などは何なのか、そして使える時間や費用などと相談の上、学ぶものを選ぶようにしましょう。
【まとめ】メンタルケアについて学ぶ際におすすめの資格 4選
今回はメンタルケアについて学ぶ際におすすめの資格を4つ紹介してきました。国家資格から民間資格まで様々なものがあり、人によって受講できるものできないものがあるでしょう。
ですが、どの資格を選んだとしてもメンタルケアについて学ぶことができ、学んだものは決して無駄にはなりません。自分の目的にあった資格講座を選び、学んだ知識を活かしてメンタルヘルスを健康な状態を維持できるようにしていきましょう!