発達障がい児の数は増加?発達障害に対する理解が高まっているから?

近年、様々なニュースや記事を見ていると「発達障がい児の数が年々増加している」「療育施設や放課後等デイサービスなどの受け入れ先が足りない」「児童精神科など病院の予約が取れない」「発達障害に対して理解され始めてきた」などの話をよく見かけます。どのような理由から増えていると考えられているのか、本当に発達障害に対する理解は高まっているのかなどを見ていきたいと思います。

実際に発達障がい児の数は増えている?

文部科学省による「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果」を見ていきましょう。2012年(平成24年)の結果では、小中学校における学習面又は行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒数の割合は6.5%(1クラス35人だとすると2人)でした。それに対し、2022年(令和4年)の結果では、同じ項目の統計は8.8%(1クラス35人だとすると3人)のため確実に増えていると言えるでしょう。

外部リンク
文部科学省:通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について(平成24年)

文部科学省:通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年)について

発達障がい児が「増えた」のか「理解が高まったのか」

これは受け取り方次第ではどちらにも取れてしまうことだと思います。統計などの実際の数字だけを追っていくと「増えた」と感じるのは間違いないことでしょう。ですが、「発達障害に対する理解」が高まったことで受診される方が増えたから、結果として数が増えているとも取れます。

発達障害に対する理解が高まったのはすごく良いことです。自分が子どもだった頃を思い出すと、小学校の時に周囲と違うことをしたり、少し変わった様子が見られると「変な子だね」と言われてしまいました。日常生活はまったく問題がないのに、一部の教科だけまったくできない子はやる気がないと言われて、先生から問答無用でひどく怒られてしまう子もいました。ですが、今は似たような出来事があると「もしかして発達障害かも?」と考える方が増え、悩んでいる子どもやその親御さん達に先生などから話が行き、診断をされることが増えてきました。

また、子どもだけではなく今では大人でも発達障害を診断される方が増えています。就職してから職場で浮いてしまう、他者とコミュニケーションがうまく取れない、時間通りに出勤することができない等、様々な理由から職場で苦しみ、診断を受けた結果発達障害だったと発覚された方はとても多くいらっしゃいます。原因が発達障害だと分かったことで、今後自分はどうしていけばいいのか、どんなことをすればいいのかがハッキリとして、苦しみが和らいだ方もいらっしゃいますが、逆にもっと苦しんでしまう方もいらっしゃいます。

受け入れられずに苦しんでいる方はたくさん居る

子どもが発達障害だと診断されたことで苦しんでいる親御さんがいらっしゃいます。多くの方が抱える悩みとして「受け入れることができない」という点が挙げられます。子どもは周囲と違うことでこの先どうなってしまうのか、進学は大丈夫なのか、就職はできるのか、私がいなくなった後に生きていくことができるのかとお子さんを思う気持ちから、不安になってしまう方もいらっしゃいます。

受け入れるための時間というものは人によって大きく変わってきます。診断を受けてすぐに受け入れることができた方もいれば、受け入れるまでに数年かかったという方もいらっしゃいます。受け入れられない方が受け入れたきっかけも様々なものがあります。

「周囲と比べたってしょうがない、この子はこの子なんだ」

「受け入れたとは言えないかもしれないけど、今子どもの為にできることをするだけ!」

「お母さん、お父さんよく頑張ってますね。と先生から言われたことで救われた気がして、そこから受け入れることができた」

このようにきっかけは自分の中で納得した時や、誰かから言われたことなどがあります。もちろん挙げたきっかけの他にも様々なきっかけがあります。ですので、まずは1人で悩まないでください。1人で悩みを抱えて考え続けると、どうしてもマイナスの方向に思考が行きやすくなってしまいます。

相談する相手は誰でも構いません。信頼のおける方や医師、発達障害者支援センターを始めとした地域の支援機関などで相談をすることができます。以下のリンクから全国の支援センターを探すことができますので、もしお悩みでしたら一度相談してみてはいかがでしょうか?

外部リンク
全国の発達障害者支援センター一覧

発達障害は脳の「特性」であり「病気」ではない?

脳の特性として受け取るのか、病気(障害)として受け取るのか。皆さんはどのように受け取りますか?この問いも、人によって意見が大きく分かれるものです。

文部科学省が出している定義は次のようになっています。

「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。

私の個人的な考え方ですが、受け取り方はどちらでも良いと考えています。大切なのは「特性」なのか「病気」なのかではなく、発達障害を持つ本人とその周囲の方が前向きに向き合うことができて、笑顔で毎日を暮らしていけることではないでしょうか?

先程も書きましたが、発達障害と診断をされたほうが楽になる方もいます。ですが、逆に苦しんでしまう方もいます。ならばその生まれ持った特性を活かすことができれば受け取り方はどちらでも良いのではないでしょうか?

もちろん簡単なことでは無いです。出来ないことも多くあるでしょうし、悩み苦しむ場面もあるでしょう。ですが、その中に出来ることが見つかった時、とても大きな喜びになりますし、その出来ることで人の役に立つことができると「自己肯定感」がとても高まります。

発達障害という特性を持つ方が生きていく上で、自己肯定感は切り離せない重要なものです。これが高まれば自立するための助けとなるのは間違いないでしょう。

もっと理解の輪を拡げていくことが重要

昔に比べ理解が高まったのは間違いないです。ですが、この現状で満足してはいけないと思います。理解は高まったが、困っている人や悩んでいる人は増えています。もし自分の周囲にその方々がいる時、少しだけでも力になれるようにもっと理解していくことができれば、今よりも少しだけ良い世界になるのではないでしょうか?

理解の輪を拡げるためには様々な手段がありますが、簡単にできるのは書籍や資格などで学んでいくことが挙げられるでしょう。書籍で学ぶこともできますが、資格ならば発達障害についての知識を深めると同時にどのような接し方をすると子どもの能力を伸ばしていくことができるかなどが学べる物もあります。

下記リンクからおすすめの資格を紹介していますので、よろしければこちらもご覧ください。

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発達障がい児支援に関するお勧め資格3選

【まとめ】発達障がい児の数が増えている?発達障害に対する理解が高まっている?

ここまで何故発達障がい児の数が増えているのか、また発達障害に対する理解は本当に高まっているのかなどを見てきました。

実際の話を聞いていくと、理解は高まり環境が良くなっていると言えます。ですが、まだまだ足りない点もありますので、少しだけ出来ることを増やし、理解を高めて笑顔が増やせるようにしていきましょう!