発達障害の子どもに起こりやすい起立性調節障害とは?

子どもが「体がだるい」と言ったり「朝起きることができない」といったことがよくある。そんな経験をされた方が多いのではないでしょうか?もしかしたらそれは「起立性調節障害(OD : Orthostatic Dysregulation)」と呼ばれる症状かもしれません。他者から「怠けている」と誤解を受けやすいこの起立性調節障害について今回は紹介していきます。

起立性調節障害って何?

起立性調節障害とは起立時に身体や脳への血流が低下する病気です。10歳から16歳の子どもに多く現れますが、大人でも症状が見られることがあります。(大人の場合は「起立性低血圧症」「体位性頻脈症候群」「血管迷走神経性失神」などの診断がされることがあり、これらをまとめて「起立不耐症」と呼ばれることもある)

症状としては、以下のようなものがあります。

  • 朝なかなか起きることができない
  • 立っている時に吐気や気持ち悪さがある
  • 少しの動きや運動で動悸や息切れをする
  • 午前に調子が悪く、午後に良くなる
  • 顔色が青白い
  • 食欲不振
  • 常にイライラしている
  • 疲れやすかったり、倦怠感を感じやすい
  • 頭痛や腹痛が頻繁にある
  • 集中力や思考力の低下
  • 座った状態でそのままの姿勢を保つのが辛い 等

これらの1つ1つの症状は経度の体調不良や、寝不足時などにも起こりますが、起立不耐症では「上記のような症状が3つ以上該当する」「症状が毎日のようにある、または慢性的にみられる」「なかなか改善しない」ことが特徴だといわれています。

また、症状は午前中に強く現れ、午後からは回復することが多くあります。また、夜になると元気になり、目がさえて眠れなくなってしまうこともあるようです。中には学校に通えず不登校や引きこもりに発展するケースも少なくないようです。年々増えている不登校児童数ですが、起立性調節障害による不登校は約30%程度と言われています。この比率も年々増加傾向にあり、どの家庭でも起きてもおかしくないことだと言われています。

外部リンク
文部科学省 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査

起立性調節障害の原因とは?

遺伝的な要因やホルモンバランスの変化、熱中症や発熱、ウイルス感染、自律神経の働きが悪くなったり、水分の摂取不足、心理社会的ストレス(学校でのストレスや家庭でのストレス)などによって起こるようです。

発達障害と何の関係があるの?

発達障害の特性を持つ子どもは通常の環境でもストレスが過度にかかってしまい、そのストレスが原因となって自律神経の乱れへと繋がってしまいます。そして起立性調節障害が起きている可能性があります。

また、発達障害のグレーゾーンといわれている子どもにも同じことが言えます。グレーゾーンといわれる子どもは発達障害の傾向がみられるものの、医療機関では診断を受けていない子どものことを指します。そのため、健常児と同じような行動を求められても出来ないことや、無理をして出来てしまうため、神経に負担がかかったり本人にどんどん疲れが溜まっていきます。そして負担や疲れが積み重なっていくと、いつか何かの出来事で失敗することがあるでしょう。その時に特性に対する理解がないことで、自己嫌悪や周囲の叱責などが原因で、強いストレスを感じてしまいます。結果として起立性調節障害になりやすい環境が出来上がってしまいます。

このように発達障害を持つ子どもやグレーゾーンの場合は、根本となっているものが周りから見えづらく、本人自身も理解ができないことが多いため、なかなか改善するための糸口が見つからずに長く苦しんでしまうこともあります。身体は辛いのに周囲に理解してもらうことができない、怠けているだけじゃないかと思われてしまう、学校に登校しなければいけないという圧迫感を感じることは余計にストレスが溜まってしまい、症状が重くなってしまうこともあります。

発達障害の特性を持つ子どもやグレーゾーンの子どもは、自己肯定感の低下を引き起こしやすいことが多くあります。何度も何度も繰り返しストレスを感じ、自己肯定感が下がり続けて結果として二次障害が起こることもあります。

関連リンク
発達障がい児にあらわれやすい二次障害とは何か

認知されておらず理解を得ることができない

起立性調節障害は広く認知されておらず、一見すると「スマホやゲームで夜更かしをしているせいだ」「怠けているだけだ」と捉えられてしまうことがあります。誤解による叱責が繰り返されてしまうと余計に本人が苦しみ、心を追い詰めてしまいます。

子どもの状態を理解することが支援の第1歩になります。子どもも「行きたくないから」「夜更かしをしているから」朝起きることができないのではなく、「夜寝れなくて夜更かしになってしまい」朝起きることができないのかもしれません。

頭では学校に行ってみんなと遊びたいと思っていても身体が思うように動かないこともあります。その思考と行動のズレは本人に強いストレスを与えて、心身ともに疲弊しているでしょう。ですので、まずは医療機関で相談をしてみてはいかがでしょうか?起立性調節障害と診断されてもされなくても、原因が分かる可能性があります。原因が分かることで気持ちが楽になることもあります。

起立性調節障害の治療と対策とは

まずは本人や周囲の家族などが協力して、自身の状況を正しく理解することが大切です。何が出来て何が出来ないのか、出来ないことの理由は分かっているのか分かっていないのか、などをはっきりとさせていきましょう。ですが、どうにもならないこともありますし、分からないことだらけで苦しんでしまうこともあります。そのため、信頼できる人や専門の医療機関などに相談してみることも良いでしょう。子どもも家族に対して言えないことでも、外部の人になら言えるというケースもあります。起立性調節障害はあくまで体の病気です。本人の努力不足などではありません。本人が自分を責めすぎたり、周囲が誤解して責めないようにしましょう。

また、起立性調節障害や発達障害の特性をもつ子どもに対してどんな声かけの仕方がいいのか、どんな接し方がいいのか困ることがあります。そのような場合は発達障害や子どもとの接し方を学ぶことのできる資格について紹介をしていますので、気になる方は以下のリンクをご覧ください。

関連リンク
児童発達支援士とユーキャンの子ども発達障がい支援アドバイザー資格を比較

起立性調節障害(OD) 体調チェックシートの紹介

NPO法人 起立不耐症と起立性調節障害の会(OI/ODの会)では起立性調節障害(OD) 体調チェックシートが配布されています。気になることがある場合は以下のリンクよりチェックしてみてはいかがでしょうか?あくまでもチェックシートですので、これに当てはまらなかった場合でも心配なことがあったり、症状が続くような場合はかかりつけの医療機関などに相談しにいくのも良いでしょう。

外部リンク
起立性調節障害(OD) 体調チェックシート

【まとめ】発達障害の子どもに起こりやすい起立性調節障害とは?

今回は発達障害の子どもに起こりやすい起立性調節障害について紹介をしました。これは本人のやる気や気力や、親御さんの育て方に問題があるなどではありません。あくまでも体の病気です。発達障害を持つ子どもやグレーゾーンといわれる子どもに起こりやすいもので、症状の一部は発達障害の特性と重なる部分もあります。

そのためいつもの症状かと思って同じように対処をするのではなく、子どもの様子を見ながら医療や専門機関のサポートを受けつつ改善を目指していくのも良いでしょう。

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