発達障害(ADHD・学習障害・自閉症)と診断される子供が急増!?統計まとめ

発達障害児の数は増えているのでしょうか、それとも減っているのでしょうか。あまり詳細を把握していないという方も多いと思いますので、最新の統計情報をまとめてみたいと思います。統計は取り方によって多少の誤差があるため、100%正確な数字ではないと思いますが、一つの目安にしましょう。

そしてこの統計情報をもとに、発達障害児の保護者の皆さんは「自分たちだけじゃないんだ」と思っていただいて気持ちを少しでも楽にしていただきたいですし、そうじゃない方には「発達障害児がこれだけ増えていて、何かやれることは無いのか?」と考えるきっかけにしていただきたいと考えています。

厚生労働省発表:発達障害は推計48万人

最新の情報と言っても、本当の最新情報はなかなか出てきませんね。一番新しいものでも見つけられたのはH28年の情報でした。厚生労働省が「平成28年生活のしづらさなどに関する調査」の結果を公表しました。その結果によると、医師から発達障害と診断された人は、48万1千人と推計されるそうです。

これを多いととるか少ないととるかは何とも言えませんし、イマイチどの程度のボリュームなのかがわかりにくいと思います。そこで違う統計からボリューム感を見てみましょう。

これまた少し古い情報になってしまい、すみません。。。2012年に文部科学省が全国の公立小中学校に通う5万人を対象にした調査結果で「発達障害の可能性がある」とされた生徒の割合は「6.5%」だったそうです。つまり1クラスに2名程度いるということになります。実はこの数字よりももっと多いと言われています。なぜかというとこの統計は「通常学級」に通っている子限定で調査をしているためです。特別支援学級などに通っている発達障害児はデータから除かれています。さらに「発達障害の可能性がある」と判断したのは医師ではなく、発達障害について知識のある教職員の見立てによる部分も大きいため、もともとの「6.5%」という数字も正確であるとは言いにくい部分があります。

しかしいずれにせよ、1クラスに1~3名程度発達障害児がいることは間違いないと思って間違いないでしょう。

さらに「6.5%」の詳細を見てみましょう。

  • 4.5%・・・学習面で著しい困難が見られる
  • 3.6%・・・行動面で著しい困難が見られる
  • 1.6%・・・学習面・行動面共に著しい困難が見られる

このようになるようです。

外部リンク
【協会監修】ADHD・自閉症診断テスト|子ども発達障害チェックリスト

自閉スペクトラム症は100人に1人という統計

次は自閉スペクトラム症についてみてみましょう。もともと自閉スペクトラム症は「自閉症」「広汎性発達障害」「アスペルガー症候群」といろいろな名称で言われていましたが、2013年のアメリカ精神医学会の診断基準DSM-5の発表以来、自閉スペクトラム症とまとめて表現するようになりました。そのため自閉スペクトラム症の中の細かな分類として、「自閉症」「広汎性発達障害」「アスペルガー症候群」があるという認識になります。

自閉スペクトラム症は多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる生まれつきの脳機能障害で、人口の1%(つまり100人に1人)に及んでいるとも言われています。実はこの数字は近年非常に高まってきているのです。アメリカCDCの調査結果では、この42年間で自閉症の出現率は10,000人に3~4人というレベルから、68人に1人ともいわれるレベルになっていると結果が出ているのです。42年前は「0.03%」程度だったのが、今では「1.5%」程度になっている。驚きの数字ですよね。

さらに男女比の差も激しく、男性の方が女性よりも4~5倍ほど多いと言われています。これは男女の脳の特性の違いや社会的な役割の関係で女性の方が症状が目立たず診断されていないだけの場合もあると言われています。いずれにせよ明確な理由はわかっていません。

ADHD(注意欠如・多動症)と診断された子は5%~10%

ADHDの統計はその出所によってかなり差があるのですが、一番多く言われている数字が5%~10%となっています。さらに日本の統計ではないのですが、アメリカ政府の統計では11%の子どもがADHDと診断されていると発表されています。

しかし、ADHDは自閉症は他の発達障害とは違ってある特徴があります。それは大人になるにつれADHDの症状が緩和される、もしくは気にならなくなるという方が非常に多いという点です。どの程度かというとおよそ半数の方が改善されると言われています。

また自閉スペクトラム症と同じように、男女比で見ると男性の方が4倍程度多いと言われています。しかしこれも先ほどと同様正確な統計や正確な理由はわかっていないようです。

LD(学習障害)は正確な統計がまだありません

学習障害は、その障害自体の定義が難しく幅の広いため、まだ正確な統計情報が出ておりません。ただ一つの目安として利用できる情報がカナダにあります。オンタリオ州オタワにあるカナダ学習障害協会の統計によれば、「3.2%」が何らかの学習障害であると言われています。

関連記事
【協会監修】学習障害(LD)診断テスト|6歳・7歳・8歳チェックリスト

日本は発達障害と診断される子供が多い?

本来発達障害は人種によって差が出るものではないと言われています。しかし、国ごとに統計を取ると日本は常にトップレベルで数が多いと言われています。

それはいったいなぜなんでしょうか。その理由として日本人の気質や性格があるのではないかと思います。これは私の私見なので、参考程度に聞いてくださいね。日本は島国であり、移民などの受け入れをほとんどしていないため多文化や多人種に触れることが少ない人種だと言われています。そのため、ある一定のノーマルや標準値というものが色濃くあり、そこに合うか合わないかという部分を常にみられています。

そのため学校という枠の中で「みんなはうまくやっている。でも、君は外れているよね」このような考え方になりやすいのではないでしょうか。またみんなが似たような考え方をしているので、一人違う考え方や特性を持ってしまっていると目立ってしまうという状況が作られやすいと感じます。

そのため「みんなと違う」ことが顕在化しすく、問題になりますその結果、学校は保護者に病院をすすめ、病院に行くと何かしらの発達障害として診断をされる。私はこれが日本に発達障害の方が多い理由だと思っています。「みんな違ってそれでいい」という考えがあれば、もっと多くの人たちが生きやすくなるのにな・・・と昔から感じていましたが、その結果が数値にも出ているんですね。これはちょっと残念な現状だなと感じます。

【まとめ】発達障害(ADHD・学習障害・自閉症)と診断される子供が急増!?

いかがだったでしょうか。最新の情報と言いながら少し前の情報ばかりになってしまってすみません。でもどれだけ探してもこれ以上新しい情報がなかったんです。。。と言う事はどういうことかわかりますよね。発達障害の件に関して、国や行政が積極的に動き対策を打っている状態だとは言えないという事です。本当に大切な情報だったら、必ず毎年調査し毎年発表しているはずです。それが数年前から止まっていたり、学習障害など細かな部分の統計は全くとっていないわけです。

だからこそ自助の精神で、自分たちで知識を付け、障害を持つ方たちを支援していく必要があると言えるのではないでしょうか。このブログで少しでもそのお手伝いが出来たらと考えています。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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