毎年4月2日から行われる世界自閉症啓発デーとは?

皆さんは「世界自閉症啓発デー」はご存知でしょうか?これは毎年4月2日に行われる全世界の人々に自閉症を理解してもらう日として各国で様々な取り組みがされています。4月8日まで行われます。

今回はこの世界自閉症啓発デーについて紹介をしていきたいと思います。

(※今回の記事では世界自閉症啓発デーの名称に合わせて、他の記事では自閉スペクトラム症と表記していますが、一部自閉症と表記している箇所があります。)

 

世界自閉症啓発デーはいつ始まった?

2007年の国連総会(12.18開催)で、カタール王国王妃の提案により、毎年4月2日を「世界自閉症啓発デー」(WorldAutism Awareness Day)とすることが決議されました。全世界の人々に自閉症を理解してもらう日として各国で取り組みが行われています。(世界ダウン症の日が「21番染色体が3本」から3月21日にされましたが、4月2日には自閉症の特別な由来はありません。)

世界自閉症啓発デー 日本実行委員会より引用

 

日本ではどのようなことが行われている?

これは各地の自治体により様々なイベントや取り組みが行われています。

毎年恒例で行われているライトアップイベントが今年も行われました。今年は東京タワーが青色のライトアップがされる様子が配信されていました。その時の様子は世界自閉症啓発デー公式HPより後日映像が配信されるようですので、下記リンクよりご覧ください。

外部リンク
外部リンク:世界自閉症啓発デー公式HP

ライトアップされたのは東京タワーだけではなく、横浜の女神橋や大観覧車などを始めたとした日本各地の代表的な建物がライトアップされていました。

また、自閉スペクトラム症をはじめとした発達障害を持つ方やそのご家族の方からのメッセージ動画も公開されています。社会に伝えたいメッセージや、仕事、趣味など生活の中で力を入れていることなどが紹介されています。

こちらも公式HPから確認することができますので、ぜひご覧ください。

そしてこちらは去年に公開された公式テーマソングです。セサミストリートから『We Belong わたしたちのうた』という曲が公開されています。

外部リンク
外部リンク:We Belong わたしたちのうた(Youtube)

セサミストリートでは「みんなちがって、みんないい」全ての子どもたちを応援していて、自閉スペクトラム症の特性を持つ登場人物もいます。この曲はその応援が感じられるような、優しい歌詞で良い曲となっています。

その他にも、シンポジウムが行われたり、オンライン上での講座の配信、発達障害を持つ方の創作物の展示など様々な取り組みが北海道から沖縄まで全国の自治体で行われていました。具体的にどの地域でどのような取り組みが行われているか確認したいという方は先程の世界自閉症啓発デー公式HPの日本各地の取り組みから確認することができます。

 

世界各国でどのようなことが行われている?

世界各国でも日本と同じように様々な有名な建物などがライトアップされていたようです。過去にはホワイトハウスやナイアガラの滝、ピラミッドなどもライトアップされていました。

国としては政策の見直しや支援制度の見直し、自閉症のある学生への教育の充実、その能力を活かした就労の機会を増やせるように尽力していくなども大統領から発言されており、少しずつ良い環境へと進んでいるように見えます。

外部リンク
外部リンク:Obama White House Archives(英語サイト)

また、日本と同じように各自治体や地域の支援団体などが行うイベントや取り組みも行われています。同じ悩みを持つ方が集まり交流する機会を作るグループミーティングや、自閉症を持つ方と同じ視点を体験する物が行われています。

 

世界自閉症啓発デーを通して知るべきこととは

近年では発達障害の特性を持つ方が増加傾向であったり認知度が高まり、少しずつ理解が広がりつつあります。ですが、それでもまだ発達障害に対しての偏見や差別、いじめといったものが無くなっている訳ではありません。

発達障害の特性を持つ方が身近にいたり、保育士や教員、医師、放課後等デイサービスや療育関係で働いてる方などは、自然と学ぶ機会が増えるのですが、それ以外の身近にいない場合ですと、発達障害に対して正しく理解する機会というのはまだまだ少ないのが現状です。

ですので、こういった何かしらの知った機会には少しだけで良いので、発達障害について知って欲しいと私は考えています。

もちろん完璧に理解し、様々な書籍を読んで学べという訳ではありません。どういう特性があるのかを少し知っていただくだけでも良いのです。まったく知らない状態から少しでも知っているというのは大きく違いが出ます。

少しでも知っていると、何かの機会にもしかしたらあの特性だから苦手で出来ないのかも?と頭の中で考える可能性があります。そうすると、今まで怒鳴って叱っていた人が、怒鳴らずに相手の事情を聴き、相手のことを理解するきっかけになるかもしれません。

その結果、すぐに子どものことでイライラしてしまっていたが、ようやく理解できて笑顔が増えた、周りの人に実は発達障害の人がいたけど仲良くできた、偏見が減って普通に関わることができたという方が少しでも増えて欲しいと願っています。

ですが、少し気を付けていただきたいのは、少し知ったとしても人によって同じ発達障害でも症状の程度や特性は大きく変わることがあります。

自閉スペクトラム症の場合は、こだわりの強さが違ったり、好き嫌いが激しい、コミュニケーションが苦手など様々な特性があります。注意欠陥多動性障害の場合は、不注意が強く出ている、多動性や衝動性が強く出ている、もしくは全てが同じくらい出ているなんてこともあります。そして学習障害は知的な発達に遅れがないのに、読み書きや計算など一部の物に対してのみ習得がうまくいかない状態があります。(国語はできるけど算数はできない等)

このように同じ発達障害でも大きく違いが出ます。そこで、違う特性があるのに同じ対応をしてしまい、悪化してしまうという事態もありますので、自閉症をはじめとした注意・欠如多動症、学習障害など様々な発達障害に対しての知識を学び、正しく理解をしていくことが重要だと繰り返し言われています。

どうやって学べばいいのかというと方法はいくつかあります。発達障害についてまとめられた書籍を読んで学んだり、発達障がい児支援についての資格を受講するなどの様々な手段で学ぶことができます。

資格は様々な物があります。入門向けの物から、そこから1歩進んで発達障害についてだけではなく、子どもの能力を引き出す接し方も紹介している物、有名予備校から出ている実際に効果があった支援に対する考え方や具体的なノウハウ、様々な教材がついた物などがあります。

それぞれ特徴があり、どれもおすすめできる物となっていますが、値段や学習に必要な時間が大きく変わりますので、ご自身に合った物をお選びください。発達障がい児支援に関する資格についてはおすすめの資格を以下の記事にてまとめていますので、こちらの記事も合わせてご覧下さい。

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【2024年版】発達障害児支援に関するお勧め資格3選

 

【まとめ】毎年4月2日から行われる世界自閉症啓発デーとは?

ここまで世界自閉症啓発デーについての紹介と、発達障害についてどのように学んでいけば良いのかを紹介してきました。

近年では有名人の方でも発達障がい児支援についての資格を取得しましたと公表され、ニュースにもなっていました。多くの方が発達障害について学び、知っていくことで少しずつですが、良い傾向へと進んでいると感じています。

発達障害を持つ当事者の方、そしてそのご家族の方が少しでも笑顔で毎日を過ごしていける世界になることを私は願っています。