発達障がい児の療育をうまく進めていくためには?

発達障がい児への支援の1つとして「療育」があります。療育施設に通ったり、自宅で療育を行ったりと色々な方法があります。では、その療育をうまく進めていくためにはどのようなポイントに気を付ければいいのでしょうか?今回はそのポイントや療育の方法などを紹介していきたいと思います。

療育はどうやって行うのが一番いいの?

一番良い方法がこれ!と言い切れるものはありません。同じ障害を持つ子どもでも、障害自体の重度が違ったり、本人の性格や特性によっても変わりますし、複数の障害を抱えていたり、精神障害といった二次障害を持っている可能性もあります。

ですので、まずはその子にあった方法を探していくことから始めていきましょう。放課後等デイサービスといった施設が良い場合もあれば、総合病院などに併設されている療育センターなどが良い場合もあります。様々なパターンが考えられますので、市役所や支援センター、主治医などに相談してみてはいかがでしょうか?

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国立障がい者リハビリテーションセンター 発達障がい者支援センター一覧

療育は長い目で笑顔で子どもを見守ることが大切

この後は療育を行うための複数の選択肢をご紹介しますが、その前に基本的な考え方として「療育は短い期間ではなく、年単位で長い目で見ることが大切」ということを頭に入れておきましょう。数ヶ月療育を行ったり通ったりしても一向に効果が分からない・・・とお悩みの方もいます。療育では長い時間をかけて少しずつ少しずつ、子どもが楽しみながら学ぶことで成長していきます。そのため、効果が見られない、何度言っても意味がないからと子どもを叱ったりするのはやめましょう。子どもが楽しみながら学べるような環境を探していきましょう!

施設は「体験や見学」を行うべき?

お住まいの地域によっては療育施設が複数選べる地域や、1個しかない地域など様々だと思います。選べる選べないに関わらず、体験や見学を必ず行ったほうが良いでしょう。

その施設を体験(見学)する時には、

  • どのような療育を行っているか(運動療育・音楽療育・SSTなど)
  • 個別なのか集団なのか
  • 子どもだけなのか、母子通園なのか
  • 体験をした時のスタッフの子どもへの対応はどうだったのか
  • 体験をした時の子どもは楽しそうだったか
  • 親がスタッフに相談ができそうか
  • 無理なく通うことができそうか
  • 希望日や希望時間に通えるかの確認

これらのようなポイントを確認しながら行うと良いでしょう。子どもと施設のスタッフの相性の良さはもちろん大切ですが、親御さんとスタッフさんが信頼関係を築けるかどうかも同じくらい大切です。

子どもとスタッフさんの相性が良いと子どもが楽しく施設に通うことができ、長続きがしやすい傾向にありますし、楽しいと感じているならば通う時に嫌がったりぐずったりするということが減ることが見込めます。

親御さんとスタッフさんが信頼関係を築くことができると「こんな小さいこと相談してもいいのかな?」と思って言えないことでも相談しやすくなり、子どもへの理解度がより高まった支援が期待できることもあります。施設にもよりますが、自分の子どもでも知らなかった強みや弱みを見つけてくれた!という方もいらっしゃいます。

施設で療育を行うメリットとは

  • 子どもの特性に合わせた適切なアプローチを受けることができる
  • 療育の様子を見ることでトレーニング方法やアプローチ方法を保護者も学べる
  • 同じ施設に通う保護者やスタッフといった人達が相談できる仲間になる
  • 子どものことを客観的に見た様子を知ることができる

同じ施設に通う保護者の仲間が出来ると、自分の悩みを相談できたり、困りごとの解決法を教えてもらうことができます。相談できる相手というのはとても貴重で、その相手がいるだけで親御さんの気持ちはとても楽になるのではないでしょうか?

また、困りごとの解決法を教えてもらえると、そのまま自分の子どもに当てはめることができなくても、解決法のきっかけを見つけることができるかもしれません。

施設で療育を行うデメリットとは

  • 地域やタイミングによっては希望日時に入れない、選択肢がない
  • 施設によってはサービスの質が悪い可能性がある
  • 一部の人から偏見の目で見られる可能性がある

近頃たまにニュースやネット記事などで見かけることがありますが、一部の施設ではスタッフが悪質な対応をしてたり、サービスの質が悪いことがあります。また、保護者がこうしてほしいという考え方と施設の考え方が違っており、療育自体はしているがあまり望んだ効果が見られないということもあります。

そのため、事前の見学や体験といった下調べはとても大切なのです。

習い事教室に通ってみる

子どもの特性によっては療育施設のスタッフと合わない、雰囲気になじめないといった何かしらの理由で、どうしても合わずに通えないという子どもも大勢いらっしゃいます。そのような時には、子どもが興味を持っている分野の習い事教室に一度問い合わせをしてみてはいかがでしょうか?プログラミング教室・絵画教室・音楽教室など様々な分野で発達障がい児を受け入れてる所が増えています。こちらのほうが合うという子どもいます。

この場合でも体験や見学はかかさずに、そして子どもの特性や悩み事などを隠さず伝えておくことが大切です。例えばパニックになってしまうことがあるならば、その前兆や、なりやすい状況、落ち着かせ方などを伝えておくことで予防することができる可能性もあります。

メリットとしては

  • 専門的な知識を学ぶことができる
  • 様々な子どもと関わるためコミュニケーションの練習にもなる
  • 子どもの興味がある分野を伸ばすことができる

デメリットとしては

  • 先生が療育のプロではない可能性が高い
  • 様々な子どもと関わるのが負担になる可能性がある
  • 毎月費用がかかる

これらのようなことが挙げられます。様々な子どもと関わる可能性があるため、それが良い影響がある可能性もありますし、良くない影響につながる可能性もあります。その辺りは子どもの特性に合わせて、教室の先生や子どもと相談しながら決めていきましょう。

自宅で療育を行う

自宅で療育を行うことも可能です。

療育には専門的な知識や経験が必要で、一般人には無理なのでは・・・?と考える方もいらっしゃいます。ですが、専門的な書籍を数冊読んだり、発達支援関係の資格を勉強することで十分出来るようになります。ですので、療育は施設に行くしかないんだという選択肢以外にも「自宅で療育を行うことも可能なんだ」という選択肢も入れておきましょう。

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自宅で行う療養にもメリットとデメリットがあります。

メリットとしては

  • 毎月、毎年といった定期的にかかる費用がない
  • 自宅のため子どもの送迎が無い
  • 子どもへのアプローチ方法を学びながら実践できる
  • 他者からの視線を気にならない

デメリットとしては

  • あくまでもプロではないため行ってる方法が正しいのか分かり辛い
  • 保護者が療育を行うため勉強をする必要がある
  • 他のお子さんやスタッフといった他者との交流がない、仲間ができない

これらのような物が挙げられます。施設に通うのか、習い事教室に通うのか、自宅で療育を行うのかなどはメリットやデメリット、長く続けることができるのかを考えながら決めていくようにしましょう。

【まとめ】発達障がい児の療育をうまく進めていくためには?

ここまで療育をうまく進めていくためのポイントやどのように療育の方法などを紹介してきました。

子どもが楽しく学べて、能力を引き出せる環境ならばどの選択肢を選んでも良いのです。これしかないと決めつけずに広い視野で子どもの能力を伸ばせる物を探していきましょう!

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