子供からのサイン 発達障害のセルフ診断チェックリスト

自分の子供が発達障害かもしれない。そう思ったらいてもたってもいられませんよね。ただいきなり病院に行くのも勇気がいるものです。そこでこの記事では発達障害(自閉症・ADHD・発達障害含む)のセルフチェックが出来るリストをご用意いたしました。

簡易的に調べることが出来るものと、DSM-5という世界的な基準に照らしたもの両方をご用意しておりますので、是非ご活用ください。そして診断をした後どうすべきかについても関連記事がございますので、ゆっくりご覧ください。

発達障害のセルフ診断時の注意点

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発達障害の特性を持つ子供の中には、「人と目が合いにくい」「こだわりが強い」など、独特の言動が見られる子供がいます。そこでこの記事では、そうした子供の言動を紹介していきます。

しかし、○○の様子が見られたら「ADHD(注意欠陥・多動性)」と診断名を書くことはしません。それは、あらゆる可能性があり、そんなに簡単に○○障害!と決めつけることはできないからです。そのため先に紹介する「簡易的なチェックリスト」では「ADHD(注意欠陥・多動性)」「自閉スペクトラム症」「学習障害(LD)」といった診断名は出しません。大まかに発達障害という言葉でまとめて表現させていただきます。

しかし、より専門的なことを知りたい。という方もいらっしゃると思います。そのような方向けに世界的基準「DSM-5」に基づいた診断基準もご紹介します。ただ注意が必要なのは、DSM-5の基準に該当するかどうかというのはあらゆることを考慮しながら決定しなければいけないため、安易に「発達障害だ」と断定することは控えてください。セルフチェックをしたことを小児科の先生に相談する程度の活用をお勧めします。

また発達障害の診断時は特性が見られる期間も重要となります。基本的には6カ月以上なのかどうかがひとつのポイントとなります。その点も冷静に判断するようにしましょう。

簡易的なセルフ診断チェックリスト

人と目を合わせない

発達障害の特性を持つ子供の中には、人と目が合いにくい子供がいます。また名前をよんでも振り向かないや手をあげないという特徴が表れることがあります。その様子は「あれ?聞こえてないの?」と思うほど反応が返ってこないことがあります。

手をつないだりハグを嫌がる

これは感覚が敏感な場合にこのような様子を見せることがあります。これも一つの発達障害の特徴です。音や肌に触れる感覚など5感すべてに対して敏感な子もいれば一つだけの子供もいます。ストレスが強くなるとより敏感になることがあります。

偏食が強い

上記でも紹介した感覚過敏に近い部分がありますが、味覚や嗅覚が敏感な子供の場合は、偏食になりやすくなります。それは味が好きとか嫌いとか以前に、触感がゴムみたい、砂を食べているように感じるなど、もっと根本的な感覚による偏食が多いです。

参考記事
自閉症スペクトラムの感覚過敏を知り子供のストレスを軽減させる

一人遊びばかりしている

個人差はありますが、こどもはだいたい3歳ころになると、同年齢の子供たちと遊び始めます。発達障害の特性を持つ子は、臨機応変さ、人とのコミュニケーションが苦手だったり、そもそも人に関心が向きにくいため、結果的に一人遊びが多くなります。

独特な話し方をする

たまに、子供なのにやたらと大人のような話し方をしている子に出会うことはありませんか?実はこれも発達障害の傾向に重なります。一見すると話し上手に見えますが、理解せず真似ているだけのことが多く、こういう子ほど話を聴けない傾向があります。

特定のものへのこだわりが凄い

興味が偏ることは悪いことではありませんが、発達障害の特性を持つ子の場合、それが度を過ぎることがあります。幼児期なのに円周率に興味を示し何十桁も覚える、全国の駅名を驚くほど覚えるなどの傾向があります。特定以外のことに対する適応が弱くなりがちです。

行事や集団行動が苦手

発達障害児にとっては、いつもと違うということが非常にストレスになることがあります。そのため運動会や音楽発表会、課外授業などになると泣きだしたり、歩みを止めてしまう子がいます。いつもと雰囲気が違う、人が多い、音がうるさいなどの要因が原因のようです。

気持ちが切り替えられない

発達障害児は集中力がないと認識されることがありますがそれは違います。興味が向くかどうかが難しいだけです。逆に一度集中に入ると、次の行動に移ることが難しいことがあります。学校では1時間目と2時間目で内容が変わる。このあたりが適応しにくいのです。

同じ動きを何度も繰り返す

発達障害児の中には、体をゆすったり、手をくるくるさせたりする行動をずっと繰り返すことがあります。これは常道行動と言って、同じ行動を繰り返すことで精神を安定させているといいます。周囲が「辞めなさい」というと大きなストレスを感じます。

関連記事
ADHD(注意欠陥・多動性)の子供のワーキングメモリを知る

冗談が通じない

発達障害児の特性を持つこの場合、言葉を字面のまま受け取ってしまうことがあります。例えば「まっすぐ帰りましょう」と先生が言うと、「曲がらないと家には帰れません」と返す。「寄り道をせず」という含みを想像できないことが多いです。

人の表情が読めない

これは俗にいうKY(空気が読めない)ともつながる話ですが、TPOの理解が非常に難しいようです。そのためお葬式などの静かにしていなくてはならない場面で、騒いだり割始めたりしてしまうことがあります。この特性はしばしば友達間のトラブルに繋がります。

前触れなく突然おこる

通常子供は、自分の感情がすぐ態度に出てしまうものです。しかし発達障害の特性を持つ子の場合は、それが表に出ることはありまりなく、ストレスが限界まで高まった時に一気に表面化します。そのため突然怒る、突然泣くということが起こります。

参考記事
注意欠陥多動性障害(ADHD)のセルフ診断チェックリスト

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その他の細かなチェック項目

  • 寝つきが悪い
  • 初語が遅い
  • 表現がストレート
  • 昔のことを昨日のことのように話す
  • 嫌がったり不安になることが多い
  • ルールを守ることが出来ない
  • すぐ行動するため事故にあいやすい
  • 忘れ物が多い
  • じっとしていられない
  • 友達間のトラブルが多い
  • 文章を読み間違う
  • 運動全般が苦手
  • 手先が不器用

関連記事
【2021年版】発達障害児支援に関するお勧めの資格3選!

外部リンク
子供が発達障がい児(自閉症・ADHD・学習障害)と診断された時の心構え

本格的なセルフ診断チェックリスト(DSM-5)

上記のチェック項目では満足できないという方もいらっしゃるでしょう。そのような方のために、世界的な基準のひとつであるDSMをご紹介します。

DSM-5(精神障害の診断・統計マニュアル)とは

DSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)とはアメリカ精神医学会が発行している、精神障害の判断基準・診断分類のことです。1952年に第一版を発行し、その後改訂を重ねて2013年に第五版を発行しました。それが「DSM-5」であり、現在(2020年時点)の最新版として使われています。以下紹介する診断チェックリストはすべて「DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル(原著:American Psychiatric Association)」より引用したものとなります。

DSM-5 自閉スペクトラム症のチェックリスト

  • 複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的欠陥があること
  • 行動、興味、または活動の限定された反復的な様式が2つ以上あること(情動的、反復的な身体の運動や会話、強いこだわり、極めて限定され執着する興味、感覚過敏または鈍感など)
  • 発達早期から1,2の症状が存在していること
  • 発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障害されていること
  • これらの障害が、知的能力障害(知的障害)や全般性発達遅延ではうまく説明されないこと

それぞれの症状の程度は様々であり、併存症も様々みられることから、小児神経科や児童精神科による医学的評価(診断)が非常に重要となります。セルフチェックをして安易に診断を下すことはしないように気を付けてください。

DSM-5 ADHDのチェックリスト

DSM-5のADHD診断基準は、9つの不注意症候および9つの多動性・衝動性症候を含みます。この基準による診断には、少なくとも1グループにおける6つ以上の症候が以下の条件を満たす必要があるとされています。

  • しばしば6カ月以上認められる
  • 患児の発達水準から予測されるよりも著しい
  • 少なくとも2つ以上の状況(例,家庭および学校)でみられる
  • 12歳前に(少なくともいくつかの症状が)みられる
  • 家庭,学校,または職場での機能を妨げている

【不注意症状】

  • 細部に注意を払わない,または学業課題やその他の活動を行う際にケアレスミスをする
  • 学校での課題または遊びの最中に注意を維持することが困難である
  • 直接話しかけられても聴いていないように見える
  • 指示に従わず,課題を最後までやり遂げない
  • 課題や活動を順序立てることが困難である
  • 持続的な精神的努力の維持を要する課題に取り組むことを避ける,嫌う,または嫌々行う
  • しばしば学校の課題または活動に必要な物を失くす
  • 容易に注意をそらされる
  • 日常生活でもの忘れが多い

【多動性・衝動性症状】

  • 手足をそわそわと動かしたり,身をよじったりすることが多い
  • 教室内またはその他の場所で席を離れることが多い
  • 不適切な状況で走り回ったり高い所に登ったりすることがよくある
  • 静かに遊ぶことが困難である
  • じっとしていることができず,エンジンで動かされているような行動を示すことが多い
  • 過度のおしゃべりが多い
  • 質問が終わる前に衝動的に答えを口走ることが多い
  • 順番を待てないことが多い
  • 他者の行為を遮ったり,邪魔をしたりすることが多い

不注意優勢型と診断するには、6つ以上の【不注意症候】が必要であり、多動性・衝動性優勢型と診断するには、6つ以上の【多動性・衝動性症候】が必要です。混合型と診断するには、不注意と多動性・衝動性のそれぞれで6つ以上の症候が必要となります。

診断は他の神経発達障害(自閉スペクトラム症)や学習障害、不安、うつ、行動障害において発生するコミュニケーションの問題を示唆している可能性もあるため、安易な診断や過剰な診断は避ける必要があります。

DSM-5 学習障害(LD)のチェックリスト

A.学習や学業的技能の使用に困難があり、その困難を対象とした介入が提供されているにもかかわらず、以下の症状の少なくとも1つが存在し、少なくとも6カ月間持続していることで明らかになる

  • 不的確または速度が遅く、努力を要する読字(例:単語を間違ってまたゆっくりとためらいがちに音読する、しばしば言葉を当てずっぽうに言う、言葉を発音することの困難さをもつ)
  • 読んでいるものの意味を理解することの困難さ(例:文章を正確に読む場合があるが、読んでいるもののつながり、関係、意味するもの、またはより深い意味を理解していないかもしれない)
  • 綴字の困難さ(例:母音や子因を付け加えたり、入れ忘れたり、置き換えたりするかもしれない)
  • 書字表出の困難さ(例:文章の中で複数の文法または句読点の間違いをする、段落のまとめ方が下手、思考の書字表出に明確さがない)
  • 数字の概念、数値、または計算を習得することの困難さ(例:数字、その大小、および関係の理解に乏しい、1桁の足し算を行うのに同級生がやるように数字的事実を思い浮かべるのではなく指を折って数える、算術計算の途中で迷ってしまい方法を変更するかもしれない)
  • 数学的推論の困難さ(例:定量的問題を解くために、数学的概念、数学的事実、または数学的方法を適用することが非常に困難である)

B.欠陥のある学業的技能は、その人の暦年齢に期待されるよりも、著明にかつ定量的に低く、学業または職業遂行能力、または日常生活活動に意味のある障害を引き起こしており、個別施行の標準化された到達尺度および総合的な臨床消化で確認されている。17歳以上の人においては、確認された学習困難の経歴は標準化された評価の代わりにしてよいかもしれない。

C.学習困難は学齢期に始まるが、欠陥のある学業的技能に対する要求が、その人の限られた能力を超えるまでは完全には明らかにはならないかもしれない(例:時間制限のある試験、厳しい締め切り期間内に長く複雑な報告書を読んだり書いたりすること、過度に重い学業的負荷)

D.学習困難は知的能力障害群、非矯正視力または聴力、他の精神または神経疾患、心理社会的逆境、学業的指導に用いる言語の習熟度不足、または不適切な教育的指導によってはうまく説明されない。 文部科学省の学習障害の定義としては、「学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接の原因となるものではない」とされています。

発達障害には7種類もある?

発達障害と聴くと「自閉スペクトラム症」「ADHD」「学習障害」がすぐに浮かんでくる方が多いのではないでしょうか。しかし、DSM-5では7つの種類に分類されています。

  • 自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害
  • 注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害
  • 限局性学習症/限局性学習障害
  • 知的能力障害群
  • コミュニケーション症群/コミュニケーション障害群
  • 運動症群/運動障害群
  • チック症群/チック障害群

以上の7分類があります。これらは合併していることもあるためその診断は非常に難しいものです。そのためここで紹介してきたセルフチェックもあくまで一つの目安としてご利用ください。

関連記事
コミュ障かも!?子供のコミュニケーション障害診断チェック(DSM-5)

発達障害かも?と感じたら仮説を立て接し方を変えましょう

上記のチェックリストに当てはまる箇所があったら、発達障害だ。。。と落ち込むのではなく、「どうしたら改善できるかな?」と実験してみましょう。発達障害ではなく、ただ子供がそのことを知らなかったり、ただ単に気分が乗っていないがゆえにそう見えているだけかもしれません。

あらゆる仮説を立て、実行してみる。このことを繰り返し行いながら状況を確認してみましょう。

それでも「やはり様子がおかしい」と言う事であれば、病院に受診されると良いかと思います。その際は小児科にまずは連れて行く方が良いでしょう。小児科の先生の判断で精神科に紹介されるかもしれませんし、思いすぎですむ場合もあるかもしれません。

またインターネットや書籍などで正しい情報を収集することも大切です。こちらのブログでも紹介していますが、発達障害児を支援するために正しい知識を得られる「資格」もオススメです。インターネットの情報は断片的なものが多いですが、資格となると学習を通じて体系的に学ぶことが出来ます。そのため「資格は別に・・・」と思っている方にも実は資格はおすすです!

外部リンク
発達障害児支援の人気資格|児童発達支援士公式サイト

【まとめ】子供からのサイン 発達障害のセルフ診断チェックリスト

いかがでしたでしょうか。一つ大切なことを伝え忘れていました。発達障害のセルフ診断をする時の前提として「12歳までは脳の発育の個体差が大きい」ということを理解することです。ここを考慮せずに、セルフ診断をしてしまうのは絶対に良くありませんから注意です。

発達障害の特徴の中には、年齢とともに次第に軽減されていくものもあるため、安易な判断で悩み苦しむことはしないようにしてくださいね。子供さんにとって一番大切なのは、お母様、お父様の笑顔です。それに勝るものはありません。子供の自己肯定感を高めることは発達障害児であれ、健常児であれ同様です。絶対にその点を忘れないようにしたうえで、このセルフ診断チェックリストをご活用ください。

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